MONO第38回公演『トナカイを数えたら眠れない』@座・高円寺1

 『トナカイを数えたら眠れない』という新作を上演します。

新作ではありますが題材は『Holy Night』(95年)という作品で扱いました。再演でも良かったのかもしれませんが、16年も経ってますし。全面的に書き直そうと。前にもそんなことをしたことがありました。『紙にかいた青空』という詐欺師集団の話を全面的に新作に書き直し『約三十の嘘』という作品にしたことがあります。

  …で、今回の作品。クリスマスを祝うまいと頑張る人達の話です。しかし祝わずにはいられない事態に陥り、登場人物達があたふたするというバカバカしいコメディです。モチーフは『Holy Night』と同じなのですが、皆の年齢も違って来ているので展開は違って来ますね。そうした馬鹿馬鹿しい活動に嫌気がさし、白けている人達の悲哀を混ぜて書き直しています。それは私たちの今の姿と重なるかもしれません。若い頃の青臭さやドロドロとした人間関係も笑いの要素に変換してみようと思います。

 いつもは『少し笑えて、少ししんみり』、という塩梅で作品を創っているのですが、今回は『笑えて笑えて、なぜかしんみり』という感じで創りたいと思います。そうなんです。とにかくコメディを創りたいと今は思ってるんです。だから笑いに来てください。


作・演出 土田英生
出演 水沼 健  奥村泰彦  尾方宣久  金替康博  土田英生  亀井妙子  山本麻貴


東京:座・高円寺
2010年11月27日(土) 〜 12月5日(日)

MONOの芝居はいつも何かしらゲームがあるのだろうか。「赤い薬」のときもあったし、今回もトランプゲームがあった。
コメディだと書いてあった割には、結構内容が重いところがあるんだよな。もちろん笑えるところもたくさんあるけど。客演の山本麻貴は「赤い薬」の時の方が良かったな(役柄のせいもあるだろうけど)。亀井妙子は「床下のほら吹き男」の時と同じような感じだった(長女役だったし)。
MONOのメンバーは、公演が違っても性格が大体決まってるね(金替が拗ねて、尾方が突っ込むとか)。そんな中私は奥村泰彦が一番好きだな。彼はいいね。
最後の姉妹のトランプのシーンでは、「東京ノート」のラストを思い出した。あえて丸く収めずにビターエンドにしたところも良かった。
MONOの次の公演は再来年だそうだ。来年ないのは残念だな。