ロルナの祈り ★★★★☆ 109シネマズ川崎

ベルギーでの幸せな暮らしを夢見て麻薬中毒の男と国籍取得のために偽装結婚をしたヒロインが、彼と過ごす日々の中で本当の愛を知って葛藤(かっとう)する姿を描くラブストーリー。『ロゼッタ』『ある子供』で2度に渡ってカンヌ国際映画祭パルム・ドールを獲得している世界的な名匠ジャン=ピエール、リュック・ダルデンヌ兄弟が、初めて愛の物語を紡ぐ。愛の持っている本来的な深さや無限の可能性が深い感動を呼ぶ。


監督:ジャン=ピエール・ダルデンヌリュック・ダルデンヌ
脚本:ジャン=ピエール・ダルデンヌリュック・ダルデンヌ
出演:アルタ・ドブロシ(ロルナ)、ジェレミー・レニエ(クローディ)、ファブリツィオ・ロンジョーネ(ファビオ)、アウバン・ウカイ(ソコル)、モルガン・マリンヌ(スピルー)、オリヴィエ・グルメ(捜査官)

主人公のロルナは、『ロゼッタ』の主人公ロゼッタが大人になったらこうなのかなと思ってしまった。クローディ役のジェレミー・レニエは『ある子供』のブリュノの成れの果てで、スピルー役のモルガン・マリンヌも『息子のまなざし』のフランシスのその後なのかとも。ファブリツィオ・ロンジョーネやオリヴィエ・グルメといったダルデンヌ兄弟常連の役者も出ているので、話自体が続いているような錯覚を覚える。
(実は、『イゴールの約束』と『息子のまなざし』は観ていないので、近いうちにDVDで観たい。)
主演のアルタ・ドブロシは実にいい顔をしている。特にあの眉毛にやられる。全体の98%はやり切れない話で、1%の幸せと1%の希望がある。ラストはどうだったんだろう。宿していたんだろうか。
最後に流れるベートーヴェンの「ピアノ・ソナタ第32番ハ短調作品111第2楽章アリエッタ」も実に印象深い。