連続娼婦殺人犯は、とうとうダルワラとダーの間近にまで迫ってきた!犯人はいったい何者で、狙いは何なのか。事の真相は、二十年前のゴア海岸に遡る。ダルワラは、張形とともに旅していたヒッピー娘を助けるが、彼女こそ犯人のゼナナ―女装の売春夫を唯一目撃していたのだ。ダルワラやダー、そして担当刑事の記憶の糸を繋ぎあわせていくうちに、意外な人物が浮かび上がってくる。犯人逮捕は出来るのか…。そんな折り、ダーと生き別れとなった双子の片割れがアメリカからやってくる。神父見習いの生真面目な宣教師マーティンが、とんでもない騒動を次々に起こして。
やっぱり、アーヴィングは凄い。フィクションの持つ力をまざまざと見せつけられた感じだ。読み始めの頃は途方もなく長く感じたが、読み終わる頃には読み終えてしまうのが寂しくなった。ダルワラやジョン・Dをはじめとする登場人物たちの何と魅力的なことか。ラストは、今まで読んできたアーヴィング作品の中で最も印象的だった。
サーカスの息子〈下〉 (John Irving collection 1989-1998) | |
John Irving 岸本 佐知子 新潮社 1999-10 売り上げランキング : 198199 おすすめ平均 サーカスの息子であるということ 私は「ガープ」よりも好き 若干毛色が違う Amazonで詳しく見る by G-Tools |