南アフリカvsイングランド サンドニ 決勝

決勝はキックで陣地を取り合う手堅い試合になった(往々にしてこうなる)。イングランドフォワードが出足とスクラムでは南アを上回っていたのだが、ラインアウトでは完全に南アが上だった。マイボールラインアウトはもちろんのことイングランドボールも何度か奪っていた。両チームともPGでしか点が入らず、前半9-3で南アがリードした。
イングランドは、後半2分にWTBクエトーが左コーナーに飛び込んだのが、ビデオレフリーでタッチと判定されトライならず。これが決まっていれば試合はもうちょっと別の展開になったかもしれない。それでもやはり総合力で南アがイングランドを上回っていた。キャプテンのスミット、ロックのマットフィールド、SOのジェイムズ、CTBのステイン、WTBのハバナ、そしてFBのモンゴメリー、みんな素晴らしかった。特に二十歳のステインのタテは見ていて気持ちが良かった。必ずや南アの将来を担うプレーヤーになるだろう。
15-9と得点差が付いてからは南アのディフェンスはより余裕が出てきた。ウィルキンソンも二度ドロップゴールを狙ったのだが、どちらも体勢が十分ではなかった。ウィルキンソンに楽に狙わせなかった南アのディフェンスの勝利だろう。両チーム決勝ノートライは1995年大会決勝の南アフリカニュージーランド以来、二度目だそうだ。
番狂わせの多かった今大会だが、南アだけは実力通りに勝ち上がった。特にフィジーに一時は20-20の同点に追いつかれながらも冷静にフォワード勝負に持ち込んで突き放した懐の深さが印象に残る。世界最高峰のラグビーを堪能できて幸せだった。


南アフリカvsイングランド(15-6)