春樹をめぐる冒険

先日買った「クーリエ・ジャポン第6号」で、「初めて明かされるハーバードの一日」という村上春樹の特集が組まれている。相変わらず、「村上春樹」の記事を見つけると機械的にレジに運んでしまう自分がいる。内容は現在招聘されているハーバード大学での講演の模様である。珍しくネクタイをしている村上春樹の写真を見ることができる。詳しくは雑誌を読んで欲しいが、この記事のネタ元がドイツの雑誌だというから面白い。村上春樹がいかにグローバルな作家であるかということがよく分かる。

というような前置きを踏まえて本題である。朝刊の記事で知ったのだが、このようなシンポジウムが行われるようだ。

国際交流基金(ジャパンファウンデーション)は、いま世界で最も愛読されている現代作家の一人、村上春樹氏の作品と翻訳に焦点をあて、春樹ブームの秘密、国や世代による読まれ方の共通性や違いを探ることを目的としたシンポジウムおよびワークショップを開催します。

日本文学の翻訳・出版という領域において、一人の現存する作家がこれほど全世界的に注目されたことはなく、「村上春樹ブーム」の原因について各方面から関心が高まっていますが、現在のところこの現象の総合的な分析・研究は行なわれていません。そこで、世界各国の翻訳家・評論家に村上作品の魅力や読者からの反響を縦横無尽に語ってもらう機会を設けることを企画しました。

東京で開催されるシンポジウムでは、国や世代を超えて共感を集める村上文学の普遍的な魅力がどこにあるのかを、各国の翻訳者によるパネル・ディスカッションなどを通して探ります。世界各国のハルキブーム比較による、私たちの知らなかった村上文学の新たな魅力を発見する「冒険」に参加しませんか?

スケジュールと内容は下記の通り。

公開シンポジウム
日時:3月25日(土)13:00-18:00
会場:東京大学駒場キャンパス 900 番教室
参加費用:1,000 円(JFSC メンバーは 800 円)
【基調講演】リチャード・パワーズ(作家、米国)
案内人:柴田元幸東京大学教授)
【パネル・ディスカッション】
①各国翻訳者が語る、村上春樹の魅力とそれぞれの読まれ方
案内人:藤井省三東京大学教授)
②翻訳本の表紙カバーに観る村上春樹/日本イメージ比較
案内人:沼野充義東京大学教授)
③映画を通してみる村上春樹
案内人:四方田犬彦明治学院大学教授)

ワークショップ
日時:3月26日(日) 13:00-16:00
場所:東京大学駒場キャンパス(目黒区駒場 3-8-1)参加費用:無料
対象:文学・翻訳・国際文化交流に関わる実務家・研究者・学生
使用言語:日本語及び英語(逐次通訳)

これは実に興味深い。というわけで、早速シンポジウムの方にe-mailで申し込んだ。但し、定員が500人で申し込み多数の場合は抽選となる。ちなみに、村上春樹本人は参加しない予定だそうだ。参加するんだったら抽選確実だろうな。参加しない予定で、実はサプライズで参加してくれたら嬉しいけどね。その前に自分が参加できないと意味ないんだけどw。