Phantom(羽田圭介)★★★☆☆ 8/10読了

外資系食料品メーカーの事務職として働く元地下アイドルの華美は、生活費を切り詰め株に投資することで、給与収入と同じ配当を生む分身(システム)の構築を目論んでいる。
恋人の直幸は「使わないお金は死んでいる」と華美を笑うが、とある人物率いるオンラインコミュニティ活動にのめり込んでゆく。
そのアップデートされた物々交換の世界は、マネーゲームに明け暮れる現代の金融システムを乗り越えゆくのだ、と。

やがて会員たちと集団生活を始めた直幸を取り戻すべく、華美は《分身》の力を使おうとするのだが……。
金に近づけば、死に近づく。
高度に発達した資本主義、その欠陥を衝くように生まれる新たな幻影。
羽田圭介の新たな代表作。

主人公の華美と同じようなことをしているので、興味があって読んでみた(複利計算の暗算をしながら寝たりはしないが)。お金を貯めるのが幸せなのか、使うのが幸せなのか。いくら貯めても、病気になったりして使えなかったら意味ないしね。かといって、貯めておかないと老後は不安だしね。何をもって幸せと思うかも人によって違うしね。と、色々考えてしまった。