男の愛 たびだちの詩(町田康)★★★☆☆ 5/25読了

昭和浪曲でも人気のご存知「清水次郎長」が、町田版痛快コメディ(ときどきBL)として、現代に蘇る!
文政三年、「正月元日に生まれた子供は将来、途轍もない賢才になる。ところがもしそうならなかった場合は極悪人になる」という言い伝えから、生まれてすぐ養子に出された長五郎=次郎長。生来の荒くれ者である次郎長が、養父母との確執や同級生・福太郎への初恋を経て、国を捨てやくざの世界で「男になる」までの心理を繊細かつ軽快に描く。

清水次郎長といえば浪曲だが、この小説は1つ1つの話が短いので、読んでいて小気味いい。最初のうちは割と普通なのだが、途中からいつもの町田節が顔を出してきて、落語のようになってくる。まだまだこれからというところで終わってしまっているので、続きも読んでみたいね。