はえぎわ『ベンバー・ノー その意味は?』@新宿シアタートップス

憧れだったシアタートップスが、本多劇場グループ「新宿シアタートップス」として開館することになり、そのオープニングシリーズに光栄にも呼んでいただきました。
けっこう急でした。来年じゃなくて今年?と何度か聞き返しました。
しかしこんなありがたいお話はありません。新作でノゾまずして何でノゾむのよノゾエくん。
というわけで、はい、やります、はえぎわ新作公演。
昨年の2月末。ニッポン放送プロデュース・はえぎわ番外公演「お化けの進くん」は、
緊急事態宣言により、初日2日前に愕然の中止となりました。
その前の劇団公演は一昨年の2月。つまり2年半強空きました。活動休止レベルです。
活動再開を宣言すべきでしょうか? 宣言はもうたくさんでしょう。
キツイ冗談の連続にひっくり返るばかり。
ひっくり返って、びっくり返って、何がオモテで、何がウラやら。
もはや喜劇!と片付けてしまうにはあまりに意味、解せず。
ひとまずNovemberも共倒れ的にひっくり返しておきます。
「ベンバー・ノー」。はえぎわ渾身の`嘆きの喜劇`。
悪い冗談にまつわる物語です。

<脚本・演出> ノゾエ征爾
<出演>井内ミワク、竹口龍茶、踊り子あり、川上友里、鳥島明、山口航太、ノゾエ征爾、内田健司

シアタートップスが復活して嬉しい限り。調べてみたら最後に見たのは、2009年2月のポツドール「愛の渦」だった。以来、12年振りのシアタートップス。大分きれいになっていたし、以前のようなぎゅうぎゅう詰めの配置ではなく、ゆったり目の配置だった(今回の公演はゆったり目ということかもしれないが)。
はえぎわを観るのも2019年2月以来。舞台上は壁際3方向にハンガーラックがあって、洋服が沢山吊るしてあるだけの、簡素な舞台装置だった。そして、芝居の冒頭でいきなり吃驚させられるんだよな。前から2列目に座っていたので、吃驚度は高かった。最前列の人はさぞやと思うね。
相変わらず筋はあってないようなもので、短いエピソードと個人の力量で魅せる。久しぶりに見たけど、やっぱり川上友里は唯一無二の存在感だな。客演の内田健司は初めて見たけど、なかなか良かったね。繰り返しを軸にした芝居なので、中盤の終わり頃にこちらの集中力がちょっと切れた。最後はトップスやお客さんに感謝を捧げるメタ的なラスト。やっぱり劇場があってこそ、劇団は無から有を作り上げ、客はそれを体感できる。トップスを復活させた本多劇場グループには感謝したい。

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