負けました。これをいうのは人生で何度目だろう。将棋に魅入られ、頂点を目指し、深みへ潜った男は鳩森神社で不詰めの図式を拾って姿を消した。彼の行方を追う旅が始まったが……。北海道の廃坑、幻の「棋道会」、美しい女流二段、地下神殿の対局、盤上の磐、そして将棋指しの呪い。前代未聞の将棋エンタテインメント。
内容的にかなり将棋度が高い。私は将棋が好きなのでいいのだが、一般の人が付いてこられるのか心配になった。普通のミステリーと思って読んでいると肩透かしを食う。一種のファンタジーと捉えればいいのかな。面白くなくはなかったんだけど、ミステリーが書きたいのか、将棋の魔力が書きたいのか、どっち付かずの印象を受けた。