マニアたちが熱愛する雑誌『詰将棋パラダイス』。創刊編集長の生き様と、そこに集う数奇な人々を活写した愛の物語。解説=芦沢央。
若い頃かなり将棋には熱中していたのだが、詰将棋にはそれほどハマらなかった。だからなのか、昭和63年に出たこの本も未読だった。今回文庫になったということで購入。まあ、面白かったね。色々書こうとすると、とてつもなく長くなってしまうのでやめるが、とにかく面白くて懐かしかった。
(ちょっとだけ余談)
本書には橋本孝治氏が『詰将棋パラダイス』1986年6月号で発表した「ミクロコスモス」(1525手詰であり、最長手数の詰将棋)のことも載っている。私は大学の将棋部時代に、将棋ジャーナル誌の企画である社会人対学生の団体戦で、当時沖電気工業に所属していた橋本氏と対戦している。序盤早々に変な手を指して悪くしてしまい、全くいいところなく負けてしまったのは無念だったが、「ミクロコスモス」の作者と指せたのはいい思い出であり、その対戦が掲載された将棋ジャーナルを今でも持っている。