太陽の塔(森見登美彦)★★★☆☆ 9/16読了

私の大学生活には華がない。特に女性とは絶望的に縁がない。三回生の時、水尾さんという恋人ができた。毎日が愉快だった。しかし水尾さんはあろうことか、この私を振ったのであった!クリスマスの嵐が吹き荒れる京の都、巨大な妄想力の他に何も持たぬ男が無闇に疾走する。失恋を経験したすべての男たちとこれから失恋する予定の人に捧ぐ、日本ファンタジーノベル大賞受賞作。

一瞬読む本がなくなったので再読。意外と覚えていなかった。のちの作品に比べればまとまりを欠いているが、腐れ大学生ものはもちろん、『夜行』などの萌芽も見られる。やはり処女作には全てが詰まっているのだろう。