立川談春独演会@にぎわい座

立川こはる:一目上がり
立川談春:棒鱈

仲入り

立川談春:芝浜

29BYから歩いてにぎわい座へ。意外と近い。
にぎわい座は2016年5月以来で、談春は2010年の「前座噺の会」以来。ずいぶん間があいた。それにしても、今回よくチケット取れたな。しかも前の方の中央寄りの良席である。まあ、たまにはいいこともないとね。

談春の一席目は「棒鱈」。これ聴いたことなかったんだな。面白かったし、上手かった。とくに酔っぱらいの描写が秀逸だった。

仲入り後の2席目はマクラなしで「芝浜」へ。勝を送り出したあとに普通は勝の描写になるのだが、そこで女房の描写になる。珍しいアレンジだなと思っていたら、勝が帰ってきちゃった。なんと財布を拾うシーンを全部カットしてしまったのだ。こんなの初めて聴いた。カットした分はいかに女房が夢だったということにしたのかに注力している。財布を拾うシーンを長々とやっておいて、それが全部夢だったと勝が信じるには無理があるという話があったが、ばっさりカットしてしまえば、そこはクリアされる。やられてみればなるほどなというアレンジだった。こういう大胆なアレンジの芝浜は初めて聴いた(「シャブ浜」とか「チバ浜」は別にしてね)。
(後から『志ん朝の落語』を調べてみたら志ん朝も出かけているシーンはなかった。どうも古今亭はこの形のようだ。ただ、海で顔を洗ったとか、夜が明けるのを見ながら煙草を吸っていたとかを説明はしていた。その辺の説明も省いて、財布を拾ってきたことだけを告げたのが談春のアレンジなのかもしれない。あらゆるバージョンの芝浜を聴いたことがあるわけではないから分からないけど。)
1時間を超える熱演を間近で観られて幸せでした。やっぱり談春上手いね。ちょっと他の落語家とはレベルが違う感じがする。
最後は3本締め。もうそんな時期ですか。なんだか年末感がないんだよな。

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