「熱、つつ、つ」。偶然たどりついた店で出会った、いとしのお好み焼き。初恋の相手に連れて行かれた理想のおでん。彼女の食べる姿に惚れたきつねうどんにたこやき。妻が味を再現できないすきやき。そして離婚相手と一緒に味わうてっちり…。読むと幸せになれる、食と恋の短編集。笑って恋して腹がすく。
ブルータスか何かで紹介されていた、食と恋にまつわる短編集。主人公は大体中年男性で、それぞれお好み焼きやらたこ焼きやらうどんやらにこだわりを持っている。しかし、そのこだわりが妻や母などに理解されず、たまたま出会う食の趣向が同じ女性といい感じになるのだが、結局は上手くいかないという話が多い。
とにかく食べものの描写がとても美味しそうで、読んでいると食べたくて堪らなくなる。大阪弁もまたいい味を出してるんだよなあ。ずいぶん久し振りに田辺聖子読んだけど、やっぱりいいねえ。
春情蛸の足 (講談社文庫) | |
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