九月十月（島田虎之助）★★★☆☆ 12/9読了

【編集担当からのおすすめ情報】
前作『ダニー・ボーイ』(青林工藝舎刊)より5年、手塚治虫文化賞新生賞受賞作家が満を持して放つ意欲作です。
必要最小限のセリフ、説明を省き削ぎ落とされた描写により、一見、「文学のような」「映画のような」と形容されそうな本作ですが、これこそが著者の辿り着いた「マンガ表現のひとつの到達点」であると確信しています。ぜひご一読ください。

前作『ダニー・ボーイ』から５年かあ。相変わらずの寡作ぶりだな。今回ページ数はやや少なめ。縦長のコマ割りで映画のように進んでいくのが印象的だ。セリフが異常に少なく、説明的な文章もないので、どういう話なのか一読しただけでは分かりにくい。ただ、何度か読んでいくうちに何となく「あぁ、そういう話なのか」ということが分かってくる。読むたびに印象が少しずつ変わりそうなので、今後も折にふれて読み返してみたい。

九月十月 (IKKI COMIX)