岡田利規 × Pig Iron Theatre Company 『ZERO COST HOUSE』

岡田利規の「自伝」が演劇に!?
初の海外カンパニーとのコラボレーション作品がTPAMディレクションPlus参加作品として、日本初上陸します。
2010年3月、岡田利規の作品「エンジョイ」を、革新的な舞台作品で高い評価を得るアメリカのパフォーマンス集団・Pig Iron Theatre Companyの演出家、ダン・ローセンバーグが演出し、現地で高い評価を得ました。これをきっかけに、今回の国際共同製作の実現にいたりました。
森での暮らしや自然の素晴らしさを新鮮な感覚で綴った19世紀アメリカの作家ヘンリー・デイビッド・ソローと、「建てない建築家」として現在注目を集める坂口恭平氏の思想をモチーフに、震災を経て変化した岡田自身の視線を通して「生活のあり方」を自伝仕立てで問いかける意欲作です。岡田利規の新たな挑戦にご期待ください。
*本作品の日本語版テキストが、「群像」2013年2月号(1月7日発売)にて全文掲載されております!観劇前に、観劇後に、是非ご一読ください。


演出:ダン・ローセンバー
脚本:岡田利規
翻訳:アヤ・オガワ
出演:メアリー・マックール、アイーシャ・ヌガウジャ、ジェイムズ・サッグ、アレックス・トーラ、ディト・ヴァン・ライガーバーグ  


会場:KAAT神奈川芸術劇場 〈大スタジオ〉

「Pig Iron Theatre Company」の俳優たちの演技が上手いことに驚いた。驚いたなんて言ったら失礼なんだろうけど、でもやっぱり驚いた。自然で、かつ、ちょっと「チェルフィッチュ」っぽくもあった。
日本語で書いた脚本を英訳して、外国人が演じるという捻った構造になっている。どうみても外国人の俳優が「I'm Toshiki Okada.」と自己紹介するのは、それだけで笑える。
自伝ということもあり、震災後の自分の考え方という点でも、日本語でストレートに表現しにくいので英訳して外国の俳優たちが演じるという形態を取ったのだろう。その捻り構造がこの芝居に新たな魅力を付け加えていたのだと思う。示唆に富んだ実に興味深い芝居だった。普通のチェルフィッチュの芝居よりも面白かったな。
英語での上演ということで、両サイドに日本語字幕が出る。最初は字幕見ないで観てやろうかと思ったのだが、さすがに無理だったので、途中から素直に字幕を見た。ただ、字幕だと俳優がセリフを言う前にこれから言うことが出ちゃうので、面白いセリフだと先に笑っちゃう人がいるんだよな。仕方がないんだけど、これにはやはり違和感があるな。