根津美術館 国宝燕子花図屏風〈琳派〉の競演

国宝「燕子花図屏風」は、江戸時代半ばの元禄年間に、尾形光琳(一六五八〜一七一六)が生み出した日本の絵画史を代表する作品のひとつです。
当館の絵画コレクションには、この「燕子花図屏風」をはじめ、いわゆる琳派の作品が多くふくまれますが、そこには奇しくも、「燕子花図屏風」の前史ともいうべき作品、あるいは「燕子花図屏風」の制作に関連のある光琳画が揃っています。また、光琳以降の琳派の作品にも優品が少なくありません。
このたびの展覧会では、こうした琳派作品とともに、琳派の影響をうけた同時代の作品もあわせて展観して、近世の豊穣な絵画世界の一端をご堪能いただきます。


2013年4月20日(土)〜5月19日(日)

「庭園の散策も楽しみなので、当日は晴れてほしいなあ」と書いたのだが、見事に雨に降られた。以前の美術館がどういう建物だったのかもう全然覚えていないのだが、現在の建物は実にスタイリッシュだ。
お目当ての国宝「燕子花図屏風」は第1展示室にあるのだが、入ってもすぐには見られない。他の作品を見ながら、中程まで進んでいくとようやく対面できる。以前に見たときよりも何だか小振りに感じた。それでもやっぱり素晴らしい。左隻の燕子花が描かれていない余白の部分がいいんだよな。
コレクション展を見終えてから庭園へ。庭園散策用の傘が用意されている。中程の池に本物の燕子花が咲いている。これがなかなか見事だった。雨の中の燕子花も風情があると半ば無理矢理思い込むことにした。庭園内にあるカフェにも行ってみたのだが、案の定いっぱいで入れなかった。
戻ってからその他の作品も鑑賞。最後にまた国宝「燕子花図屏風」に戻って、閉館の5時まで椅子に座ってずっと見ていた。ホントに閉館ギリギリまで居たので、最後は人が居なくなって、国宝を独り占め(家族占め?)することができた。