現代美術にも通ずる大胆な空間構成が高く評価され、欧米の美術界で江戸琳派の旗手として広く知られる鈴木其一。酒井抱一の内弟子として画業をスタートした其一は、師の死後、どのようにして「夏秋渓流図」「朝顔図屏風」のような奇想の絵を描いたのか! ? 絵師としての苦悩、波瀾に満ちたその生涯を描く歴史小説。
前半は酒井抱一の弟子としての鈴木其一。後半は独り立ちしてからの其一。実際にネットで絵を見たり、琳派の流れなどを確認しながら読んだ。後半には伊藤若冲や葛飾北斎などもちょろっと出てくる。澤田瞳子の『若冲』に引き続き、本作もなかなか面白かった。読むと実物を見たくなるもので、どこかで「琳派展」やってくれないかなあ。
画狂其一 | |
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