公演期間:2008年2月6日(水)〜17日(日)
劇場:青山円形劇場
スタッフ:【脚本】 前川知大(イキウメ)【演出】 青木豪(グリング)
出演:酒井美紀 土屋裕一(*pnish*) 川村ゆきえ 中野英樹(グリング) 津村知与支(モダンスイマーズ) 岩本幸子(イキウメ) 今井朋彦(文学座)/ 大河内浩
舞台はとある地方の一軒家の裏庭。一箇所井戸のような穴が開いていて、周りにロープがわたされている。丸い裏庭を囲むように客席があり、その裏庭から通路が客席の中に一本通っている。私はちょうどその通路のそばに座っていた。
その井戸のような穴が実はワームホールで、その穴を狙う組織が出てくるという話なのだが、ネットを色々見てみると星新一作品のパクリではないのかという意見が出ている。もちろん星新一の「おーい でてこーい」は知っているのだが、芝居を観ているときには不思議とそのことは思い出さなかった。だけど読み返してみるとかなり似てるね。
大河内さんのブログにはこう書いてあった。
地上300メートルに眠る核のゴミ、
その上に浮かぶ夢の島。
放射性廃棄物の埋立地に選ばれたその村は、
一年も経たないうちに陸の孤島になった。
目に見えない毒が地下水と共に染み出すように、
残された住人の心が溶け出していく・・・。
「地上300メートル」というのは「地下300メートル」の間違いだろうか。それはまあいいとして、ここに書かれてるあらすじと実際の芝居は大分違っている。あらすじだけを先に提出して、実際に脚本を書いている段階で筋を変えてしまったのかもしれない。そしてその時に「おーい でてこーい」を流用してしまったのかもしれない。全くの想像だけどね。しかし似てるんだよな。パクリと言われても仕方ないかもしれない。しかも「おーい でてこーい」の方がシンプルな分完成度が高い。『ウラノス』は結局何が言いたいのか、散漫な感じになっちゃってるんだよな。
酒井美紀は可愛かったけど演技的にはどうかなあ。「殿山君」こと今井朋彦も初めて見たけど、彼は流石に上手かったね。後は津村知与支に期待していたのだが、人の喋る言葉に色が見えるというちょっと与太郎っぽい特殊な役だったので何とも言えなかった。それにしても中野英樹はいっつもああいう役だな。