あくまでも初心者向けの本なので、私にとっては第4章「激闘!」以外は既に知っていることばかりだった。ただ、この第4章は佐藤康光との竜王戦や棋聖戦を内面から振り返っているので、非常に読み応えがある。封じ手を巡る攻防とか、相手の研究を外そうとして墓穴を掘ってしまうところなどはなかなか盤外からは伺い知れないところである。
著者は将棋をサッカーを見るように楽しんで欲しいと言う。但し、将棋はさすがにサッカーほど分かりやすいものではない。プロが指した手が良い手なのかどうかを理解するには最低でもアマ初段は必要なのではないだろうか。更に妙手のその妙手たる妙味を味わうには更なる棋力が必要になるだろう。
だが、本書は新書という形式も手伝って、初心者が将棋、将棋界、棋士などのをことを知るにはうってつけの本と言えるだろう。
頭脳勝負―将棋の世界 (ちくま新書 688) | |
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