昔々亭桃太郎 三番勝負 第三夜

きっかけは「ブルータス」の落語特集。その中に福田和也立川談春を「とてつもない、図抜けた、絶対的な才能」と絶賛しているという文章があったのだ。そこまで言うのなら一辺聴いてみたい。というわけで、昔々亭桃太郎の独演会であるが、目当てはあくまでもゲストの立川談春である。ちなみに第一夜は春風亭昇太、第二夜は柳家喬太郎がゲストだった。
会社を30分ほど早引けして池袋へ。まずは腹ごしらえ。メトロポリタン内の「つばめグリル」へ。ハーフ&ハーフの生ビールとニシンの酢漬け、それからジャーマンハンブルグステーキとパンを注文。ニシンの酢漬け美味しかったなあ。ビールにはピッタリ。久し振りに食べたつばめのハンバーグも美味しかったね。店員もきちんとしていて気持ちのいいお店だった。
会場は東京芸術劇場の小ホール2。前から5番目の右寄りの席だったのだが、前の方は段差がないので、ちょっと見にくかった。椅子も大学の教室の椅子みたいでしょぼかったね。


<昔昔亭A太郎:権兵衛狸>
さすがに前座だけあってすべりまくっていた。ああやっぱり前座って下手だなって思い知らせてくれた。


昔々亭桃太郎:勘定板>
昔々亭桃太郎という落語家のことは全然知らなかった。新作を得意としているらしい。さすがにベテランだけあって独特の間を持っている。「勘定板」という演目は初めてだった。要するに「う○こ」を題材にした下ネタである。まずまず面白かった。


立川談春:天災>
「天災」も初めて。前二人の話を巧みに取り込んだりして、なかなか機転が利いている。八五郎が畳みかけるところは噛んじゃダメなんだけど何回か噛んでいた。そういう細かい残念なところはあったが、やはり絶賛する人間がいるだけあって上手いね。なかなか男前だしね。落語だけなら志の輔より上手いんじゃないかな。これから落語界を背負っていく人材なのは間違いないだろう。


昔々亭桃太郎立川談春の対談>
落語界の内輪話が次々に出てきた。落語協会は新しい人をいじめるけど、私のいる芸術協会はそういうことはないから談春君にも芸術協会に来て欲しいんだよ、なんて誘っていた。それから、談志が長嶋で志ん朝が王だったんだよ、なんて話も結構面白かった。


昔々亭桃太郎:柳昇物語>
師匠の柳昇の思い出話である。随分長いマクラだなと思っていたら、そのままおしまいだった。


何を今さらって感じだけど、談春はいいね。また聴きに行きたい。