12人の優しい日本人 ★★★★☆

笑の大学』とともにパルコ劇場のオンラインショップで購入した。この作品は、1990年の初演以来「東京サンシャインボーイズ」公演として3回上演され、1991年には中原俊監督作品として映画化され、そして2005年にパルコプロデュース公演として上演された。DVDに収められているのは2005年版である。私は映画は観たが、2005年版の舞台はチケットが取れなかったので見逃した。
2005年版は何といっても配役が豪華だ。以下はウィキペディアからの引用。括弧内の出演者は、1990年の初演舞台版 / 1991年の映画版 / 2005年の再々々演版、の順である。(年齢は、映画版での設定)

* 陪審員1号(女子校体育教師・40歳):小原雅人 / 塩見三省 / 浅野和之
* 陪審員2号(精密機械製造会社々員・28歳):相島一之 / 同左 / 生瀬勝久
* 陪審員3号(喫茶店店主・49歳):阿南健治 / 上田耕一 / 伊藤正之
* 陪審員4号(元信用金庫職員・61歳):小林隆 / 二瓶鮫一 / 筒井道隆
* 陪審員5号(商事会社庶務係・37歳):かんみなこ / 中村まり子 / 石田ゆり子
* 陪審員6号(医薬品会社セールスマン・34歳):一橋壮太郎 / 大河内浩 / 堀部圭亮
* 陪審員7号(タイル職人・32歳):梶原善 / 同左 / 温水洋一
* 陪審員8号(主婦・29歳):斉藤清子 / 山下容莉枝 / 鈴木砂羽
* 陪審員9号(開業歯科医・51歳):西村雅彦 / 村松克己 / 小日向文世
* 陪審員10号(自営クリーニング店おかみさん・50歳):宮地雅子 / 林美智子 / 堀内敬子
* 陪審員11号(“自称”弁護士・年齢不詳):野仲功 / 豊川悦司 / 江口洋介
* 陪審員12号(大手スーパー課長補佐・30歳):伊藤俊人 / 加藤善博 / 山寺宏一
* 守衛:福島三郎 / 久保晶 / 不登場
* 青年:甲本雅裕 / 不登場 / 不登場
* 裁判長(声のみ):山本亘 / 不登場 / 不登場
* ピザ屋の配達員:不登場 / 近藤芳正 / 不登場

鍵となるのは最初に有罪を主張する陪審員2号と最後に見せ場のある陪審員11号だろう。2005年版では生瀬勝久江口洋介がそれぞれを演じている。生瀬の演技はもちろん良かったのだが、この役柄では生瀬の良さが十分には発揮できないような気がする。映画版の相島一之がはまり役だっただけに余計そう思う。江口洋介も同様で、悪くはないのだが、映画版の豊川悦司の印象があまりにも強すぎてやや影が薄い。
陪審員9号を演じた小日向文世は映画版よりも良かった。1990年の舞台版の西村雅彦がどうだったのか観てみたかったなあ。
2時間暗転なしで出ずっぱりの役者たちは大変だったろうな。観るほうも大変だけど。円形のテーブルを配した舞台装置は映画版よりもいいね。『笑の大学』にはなかったが、このDVDには特典DVDも付いていて、三谷幸喜のバックステージ・リポートなんかは結構面白かった。