ヴェルジェ マコン・ヴィラージュ・グラン・エルヴァージュ 2019

例年、ヴィレ畑を主体に、ピエール・クロ、ブシェール、ヴェルジッソンの粘土質が強い区画を選んでアッサンブラージュしているキュヴェ。100%樽発酵(新樽なし)。滑らかさを与える為に他のキュヴェより長く樽熟成させ、その間ほぼバトナージュを行わない。
完熟したオレンジのような華やかな香りにハーブのニュアンスがプラスされて香から美味しい。クリーミーなテクスチャーだが酸はしっかりと存在する。

夕飯は、ひな祭りということでちらし寿司。
ワインはワイン見聞録で購入したヴェルジェ。ヴェルジェも何度も飲んでいるのでカブっているけれど、種類がものすごく多いんだよな。どれ飲んでも、いつ飲んでも安定して美味しい。

料理や、小料理や

前回同様、三軒茶屋から歩いて行った。17時過ぎの入店で一番乗り。今後は18時開店になるそうで、早めの時間に入りたい私にとってはちょっと残念。いつもの左端の席へ座る。新しいアルバイトの女性が入っていた。何でも、有名店でも働いていたパティシエールらしい。
手まり寿司とお茶のスタートは同じだが、そのあとの「五味・五色・五法」が新メニューからの導入。今回は全て石川県の食材が使われている。


お造りには日本酒を合わせるのがここでの定番。この日は「亜麻猫」。日本酒なんだけど、酸味があって、ワインのような味わい。これは美味しかった。

椀物はつみれと焼きネギと菜花。つみれがふわっふわで、ちょっと概念を覆された。ちなみに、お椀は輪島塗り。

次が苺と山菜の和え物。フルーツを使った一皿にこのお店の特長があるんじゃないかと私は思っている。独創的で美味しかった。選択肢に日本ワインがあるのもいいところ。

揚げ物は、とらふぐ、筍、アスパラガス。私の席の前に食材をおいた笊があり、そこにぶっといアスパラガスがあって、それが使われている。新コースになって料金が上がっている分、食材が豪華になっている。とらふぐの唐揚げ美味しかったなあ。

肉の前にもう一皿。

お肉は、まあいつもと同じ感じで美味しい。

炊き込みご飯は、ホタルイカとフキ。これは素晴らしい組み合わせ。普通にお味噌汁といっしょに食べて、お茶漬けで食べて、海苔巻いて食べた。お腹いっぱいだけど食べられちゃうんだよな。


最後にパティシエールの方が試作品の抹茶キャラメルを食べさせてくれた。美味しかったので、本番用が楽しみだな。締めにお茶を一杯。

正直コースの料金が上がってしまったのは残念なのだが、それでも引き続き通う価値があることが改めて分かった。料理もワインも美味しいし、スタッフの方々の人柄もいいんだよな。次はいつ行けるかな。

『う蝕』@シアタートラム

横山拓也×瀬戸山美咲の強力タッグにより立ち上がる、男だけの不条理劇
立場や事情の異なる人々の葛藤を対話中心に描き出す作劇に定評のある横山拓也と、公共劇場から商業演劇まで幅広く活動し今最も勢いのある劇作家・演出家の一人である瀬戸山美咲。ともに数々の演劇賞を受賞し、演劇界を躍進し続ける二人による強力タッグがついに実現し、フランツ・カフカ、サミュエル・ベケット別役実の作品をモチーフの参考とした、男性6名による濃密な不条理劇を立ち上げます。

【作】横山拓也
【演出】瀬戸山美咲
【出演】坂東龍汰 近藤公園 綱啓永正名僕蔵 新納慎也相島一之

横山拓也脚本の不条理劇ということで楽しみにしていたのだが、ちょっと思っていたのとは違う内容だった。能登地震を受けて、脚本を書き換えたということだが、それでも物語の状況としては重いものがある。そこをどう展開していくのかと思えば、割とコミカルだったりして調子が狂う。今回、俳優に当て書きしたということだが、相島一之さんが名前の言い間違いを何度も訂正する役というのはちょっとベタすぎる(もちろん「王様のレストラン」のカジハラとカジワラを思い出す)。書き換える前の脚本がどういう内容だったのかが気になるな。

ベッレンダ フラテッリ コスモ プロセッコ

繊細でビーズのような泡。リンゴ、桃、藤の花のはっきりとした香り。滑らかでフルーティな味わいでありながら、しっかりとした骨格を感じる、エレガントなスプマンテです。ほのかに甘みがあるエクストラドライで、口当たりがよく、ワイン好きの方はもちろん、普段ワインを飲まれない方にもお試しいただきたい味わいです。イタリア語で“フラテッリ”は“兄弟”を意味しています。ベッレンダ社のオーナー、コスモ兄弟から名づけられました。

夕飯は、シーフードとほうれん草のグラタン。グラタンって、具材をセットしてオーブントースターに入れてしまえば、あとはほったらかしで出来上がるのが好きなんだよな。15分できっちり焼き上がるのが分かっているので、火加減とか気にする必要がないし、途中で混ぜたりする必要もない。入れている間にサラダ作ったり、洗い物したりできるし。
ワインはトスカニーで購入のプロセッコ。何よりエチケットが可愛いよな。味も濃い目で美味しかった。

シャトー・ド・トゥーレット 17デ・モワンヌ・ブラン

南仏リュベロンのシャトー周辺の自社畑100%。各品種を別々に醸造し、1つのタンクに入れてアッサンブラージュ。2017ヴィンテージを中心に周辺の複数ヴィンテージを加えていったソレラシステムなので、この価格でも非常に複雑な味わいになっている。
透明感のある淡いグリーンの色調。 香りには青リンゴと洋梨。 よく熟していて重たくなりがちな果実の味わいを酸味が上手くまとめる。

夕飯は、牡蠣と菜花のクリームソースペンネ。チーズではなくて、なまり節をかけてあるのがミソ。割とイメージ通りの味に仕上がって美味しかった。
ワインはワイン見聞録で購入。何度も福袋を買うと結構同じのが入ってきてしまう。これもそう。でも美味しいので文句はない。

君が手にするはずだった黄金について(小川哲)★★★☆☆ 2/26読了

才能に焦がれる作家が、自身を主人公に描くのは「承認欲求のなれの果て」。
認められたくて、必死だったあいつを、お前は笑えるの? 青山の占い師、80億円を動かすトレーダー、ロレックス・デイトナを巻く漫画家……。著者自身を彷彿とさせる「僕」が、怪しげな人物たちと遭遇する連作短篇集。彼らはどこまで嘘をついているのか? いや、噓を物語にする「僕」は、彼らと一体何が違うというのか? いま注目を集める直木賞作家が、成功と承認を渇望する人々の虚実を描く話題作!

面白かった。著者を思わせる主人公とその周りの人たちとの話だが、どこまでが本当でどこまでがフィクションだか分かりにくい。川上弘美の『恋ははかない、あるいは、プールの底のステーキ』もそんな感じだった。流行ってるのかな。3月11日に何をしていたかはみんな覚えているけど、前日の3月10日に何をしていたかは覚えていないというのは成る程その通り。それで一編書いちゃうのは目の付けどころがいいね。

falo

去年の11月以来の訪問。前回いなかった松永さんとは初めましてだった。女性スタッフも入ったということだったが、この日はいなかった。
突き出しはにんじんをベースに色々と。これはオンリストしてもいいんじゃないかと思うほど美味しかった。

最初は、帆立の冷たいパンナコッタ カニと白子のあえもの。これは初めて食べる。帆立とカニと白子だからね。美味いに決まっている。

次が、ワインのためのラビオリ。これも初めて。この料理面白かったな。たっぷりシナモンが掛かっていて、見た目は八ツ橋。falo+で食べた十二麺体を作っている冨士麺ず工房の生地らしい。不思議な美味しさだった。

次は、白菜のクリーム煮と鱈のチーズ衣フリット。これは前にも食べたが、本当に美味しい。faloのチーズ衣フリットはみんな美味しいのだが、鱈と白菜というのが鍋的な感じで冬にはいいんだよな。ワインも進む進む。
カーゼコリーニの白がこの日のハイライト。猪又さんによれば前日がピークだったそうだが、これはとても美味しかった。


メインは、日本鹿の炭火焼 色々なごぼうと芹のサラダのハーフ。添えられているごぼうフリットがすごく美味しいし、ごぼうのピューレもいい。もちろん鹿肉も美味しかった。

サッサイアのインターバルを挟んで、締めは白子と菜の花のパスタ。シンプルなパスタなんだけど、全体の塩味と白子のとろけ具合、菜の花の苦みが絶妙にマッチして美味しかった。作っているところをジーッと見ていたけど、家ではなかなかこうは行かないんだよな。

ドルチェはイチゴとジェラート。それとドルチェワイン。黙っていても、エスプレッソに砂糖を2つ付けてくれるのがニクい。

faloでの食事はやっぱり落ち着く。これからもどんどん新しいメニューを開発してほしいね。