ホーム・ラン(スティーヴン・ミルハウザー)★★☆☆☆ 9/23読了

魔法の鏡磨きが男と恋人の心にもたらす光と影を描く「ミラクル・ポリッシュ」。町に謎の自殺願望が流行した半年を記録する「私たちの町で生じた最近の混乱に関する報告」。一本の決定的本塁打がたどる驚異の軌跡を描く表題作など、多彩な奇想、緻密な筆で壮大かつ深遠な宇宙を描く8篇。著者自身による短篇小説論も収録(日本版のみ)。

最初の「ミラクル・ポリッシュ」と最後の「ホーム・ラン」は良かったんだけど、他の短編は今ひとつ入り込めなかった。『私たち異者は』の方が良かったな。

サキの忘れ物(津村記久子)★★★☆☆ 9/20読了

アルバイト先に忘れられた一冊の本。それは誰からもまともに取り合ってもらえなかった千春がはじめて読み通した本となった。十年後、書店員となった彼女の前に現れたのは。(『サキの忘れ物』)。前の東京オリンピック以来の来日で、十二時間待ちの展示の行列に並びはじめた主人公がその果てに出会った光景。(『行列』)。ある晩、家の鍵をなくした私は居場所を探して町内をさまようことに。一篇のなかに無数の物語が展開!(『真夜中をさまようゲームブック』)。

色々なタイプの短編が入っているが、特に気に入ったのは「行列」。前の東京オリンピック以来の来日となるアレが展示されているのを見るために12時間待ちの行列に並ぶ話。若冲展を見るために上野で3時間行列に並んだことを強烈に思い出した。もう二度とあんな行列には並ばない。

アルロー・ブルゴーニュ・ロンスヴィ 2013

98年から若きシプリアン・アルローが実質的に仕切り始めてから頭角を現し、今ではフランス国内だけでなく、パーカーさんやイギリスのジャーナリストにも ブルゴーニュの若手筆頭株と注目 されている造り手「ドメーヌ・アルロー・ペール・エ・フィス」。
ます試してもらいたいアイテムはブルゴーニュ・ルージュのロンスヴィです。 ブルゴーニュ・ルージュと言えども畑は、ジュヴレ・シャンベル タン・アン・エトロワの畑のすぐ下方に位置し、
『かつてはジュヴレ・シャンベルタンを名乗れた』
と言う単独畑から造られるACブルゴーニュで、 政治上の問題でACブルゴーニュにされちゃいましたが、 この事をご存知の方は、まずこのワインから購入されます。 お手頃で買えるジュヴレ・シャンベルタンと言っても過言ではないからです。

キタザワにて購入。イタリアワインをどっさり飲んだ後はやっぱりブルゴーニュ。このワインは何度も飲んでいて、間違いがない。安定の美味しさだった。
料理は、最近娘がかぼちゃを食べたいというので、先日レンジで作るかぼちゃの煮物を作ったのだが、チンする時間が長すぎて、柔らかくなりすぎた(うちのレンジは700Wなので調整が難しいのだ)。というわけで、再チャレンジ。今度は時間を短めにして様子を見ながら温めた。ちゃんと形を維持して仕上がったので、今度はOKでしょう。
サラダは、カルディで生ハムとフライドオニオンを買ったので、それを使ったもの。単にレタスとミニトマトを使うつもりだったのだが、舞茸があったので、舞茸をオリーブオイルで焦げ目がつくようにしっかり炒めて、これも投入した。このサラダは妻と娘にも「いいね」をもらったので、9月21日は我が家のサラダ記念日になった。
メインは豚肉とじゃがいもの重ね煮。これはよく作る定番料理。今回は男爵系ではなくメークインにしたから、ホクホクではなく、ねっとりした仕上がりになった。それはそれで美味い。
パンはヴィロンのレトロドール。ヴィロンはパンのスライスを廃止しており、バゲットを半分に切るのもNGだった。

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mondo(ディナー)

久しぶりのmondo。ディナーは更に久しぶり。18時入店で一番乗り。あの広い空間をしばらく独り占めだった。
最初はスプマンテと思ったら、この日はシャンパーニュだった。突き出し1はいつもの「お野菜のスープとオリーブ」。

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グラスの一杯目はソアヴェ。と言ってもmondoで出して来るわけだからただのソアヴェではない。かなり厚みのあるソアヴェだった。突き出し2は「生ハムとパプリカ」。パプリカはぬか漬けになっている。

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いつも楽しみのパンには石原さん作のイラストも添えられていた(イラストの写真はなし)。通販のときにも料理の説明イラストが付いてたけど、石原さんは絵が上手だね。次のワインはヴォドピーヴェッツ。

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前菜1は「スジアラと王様しいたけ」。王様しいたけはコラトゥーラをぬって焼いてある。このコラトゥーラしいたけがヴォドピーヴェッツと好相性だった。スジアラはほぐしてあるので、皮を香ばしく焼いたものも含めて、ご飯にのせてお茶漬けにして食べたいと思ってしまった。ワインはさらにマセラシオンしたものを2種類。
田村さんは、私のブログで私がfaloで何を飲んだのかを一応確かめて、なるべくかぶらないようにしてくれた。素晴らしい配慮ですな。

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前菜2は「白川甘鯛と緑茄子のヴァポーレ」。この料理がこの日の1番。火の入り方が絶妙で甘鯛がじつにふっくらしていて美味しい。緑茄子やまわりのソースを絡めて食べると更に美味い。来た甲斐のある一皿だった。

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パスタの前に今度はロゼを2種類。パスタ1は「ズワイガニの”スパゲッティ”」。出汁がアサリでとってあって、それが美味しかったが、ややストレート過ぎて物足りなかった。

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次は赤を2種類。パスタ2は「小野寺さんの鹿のブロードに浮かべたBaseさんの”マルタリアーティ”」。汁ものは合わせるワインが難しいと田村さんが嘆いていた。後から、ブロードに合わせるならとヴェッキオ・サンペーリも出してくれた。確かにブロードには合っていた。このパスタはなかなか不思議で美味しかった。

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メインを前に赤を3本並べてくれた。田村さんとしては、どれか1つを選んでくれということだったのだが、3つをちょっとずつ注いで下さいと頼んでしまった。どうも、「そうそう来られないから」とか「せっかくだから」という思考になってしまうんだよな。後から考えれば、ここで3杯は多すぎました。だけどどれも美味しかった。特にバローロ。これは私のバースデイ・ヴィンテージなんだよな。
メインは「シャラン産 鴨胸肉とポルチーニ茸」。美味しかったんだけど、鴨がちょっと固かったかな。ポルチーニは肉厚で良かった。

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ドルチェの前にドルチェワイン。このピノ・グリは美味しかったなあ。ドルチェは「シャインマスカットとフロマージュブラン」。美味しかったんだけど、かなり酔っ払っていて記憶があやふや。小菓子は可愛い盛り付けになっていた。最後はアメリカーノ

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久しぶりのmondoのディナーを堪能しました。やっぱり田村さんのペアリングはすごいな。faloばっかり行ってるけど、mondoも行かないとな。

東京No.1親子 第2回公演『夜鷹と夜警』@ザ・スズナリ

挙げ句の果ての彼方から!あの親子が下北沢に帰ってくる!!
かなわない敵と夢。刃向かう度胸も尽き果てて、膝を折って両手をついて額の置き場を探してる。ところがそこかしこに先達が。俺の土下座の場所がない…。長いものに巻かれたいのに巻いてもらえない男と女のロール・オーバー物語!

作・演出:福原充則
出演:安藤 聖、村上 航、喜多村千尋佐藤銀平、佐藤B作

3月の『今が、オールタイムベスト』以来の久しぶりの生観劇。スズナリは席数を半分に減らしていた。隣の席との間に空間があるので、観客側からすればゆったり見られていい(今までのスズナリだったらぎゅうぎゅう詰めだからね)。
佐藤親子が舞台上でも親子を演じているのが、なかなか感慨深い。5人全員がみんな複数の役をこなすかなりハチャメチャな舞台、特に後半のいい意味での「茶番感」がすごい。
途中で換気のための幕間があり、そこで映像を流したのだが音がでない。さらにもう1本映像を流そうとしたら、それも音が出ないから結局流せなくなるという、かなりグダグダな展開となってしまっていた。
芝居は、全体的にはもうひとつな感じもしたが、舞台という空間を役者と他のお客さんと共有するという「生」の観劇は配信とは大違いで、やっぱりいいなと再認識した。

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正音(ランチ)

観劇前に久しぶりにこちらへ。注文したのは、つけとろそばの大盛り。とろろはかなりしっかり濃いのがたっぷり入っている。そばを堪能しようと思って大盛りにしたのがが、大盛りは思ったよりも多かった。普通盛りで良かったね。とろろがそばによく絡むから最後の方はそばが残っているのにとろろがなくなりそうになってしまった。今度はつけとろそばの普通盛りに野菜天をプラスとかでもいいかもしれない。

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ローラン・シュミット・エデルツヴィッカー 2017

「シルヴァネール・グラン・ア」が3分の1、「ミュスカ・グリンツベルグ」が3分の1、リースリングピノ・グリ+ピノ・ブランが3分の1のブレンド
各品種ごとのアルコール発酵が完了した時点でブレンドされます。ステンレスタンクで5ヵ月間熟成。残糖4.1g/lの辛口。
アルザスでは食卓にエデルツヴィッカーの1リットルボトルを置いて、いろいろなお料理と気軽に楽しむという伝統があり、日本へも1リットルボトルでご案内いたします。
※「エデルツヴィッカー」とは、アルザス地方で複数の品種を用いて造られたワインの事です。
アルザスのワインは通常単一品種で造られるものがほとんどなのですが、このエデルツヴィッカーは多種多様なぶどうを用いるため様々な風味が感じられ、個々の葡萄品種の個性を尊重しながら上手にブレンドされています。地元アルザス地方で、このエデルツヴィッカーはいわゆる「地酒」のような存在です。(それ故に、大瓶ボトルなのかも?!)

ウメムラにて購入。連休用に1リットルボトル。ローラン・シュミットはエチケットがいいよね。酸味があり、花の香りもあり、ほのかな甘さもありと、色々な品種を混ぜている良さが出ている。
夕飯はラタトゥイユ風肉炒めにとろけるチーズをかけたもの。野菜たっぷりなので、副菜なしの一本勝負。まずまず美味しくできました。

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