サキの忘れ物(津村記久子)★★★☆☆ 9/20読了

アルバイト先に忘れられた一冊の本。それは誰からもまともに取り合ってもらえなかった千春がはじめて読み通した本となった。十年後、書店員となった彼女の前に現れたのは。(『サキの忘れ物』)。前の東京オリンピック以来の来日で、十二時間待ちの展示の行列に並びはじめた主人公がその果てに出会った光景。(『行列』)。ある晩、家の鍵をなくした私は居場所を探して町内をさまようことに。一篇のなかに無数の物語が展開!(『真夜中をさまようゲームブック』)。

色々なタイプの短編が入っているが、特に気に入ったのは「行列」。前の東京オリンピック以来の来日となるアレが展示されているのを見るために12時間待ちの行列に並ぶ話。若冲展を見るために上野で3時間行列に並んだことを強烈に思い出した。もう二度とあんな行列には並ばない。