真珠とダイヤモンド 上下(桐野夏生)★★★☆☆ 11/4読了

桐野夏生が描く「バブル」 
実体なき熱狂の裏側をえぐる傑作長編!  
 
1986年春。二人の女が福岡の証券会社で出会った。一人は短大卒の小島佳那(かな)、もう一人は高卒の伊東水矢子(みやこ)。貧しい家庭に生まれ育った二人は、それぞれ2年後に東京に出ていく夢を温めていた。野心を隠さず、なりふり構わずふるまう同期、望月昭平に見込まれた佳那は、ある出来事を契機に彼と結託し、マネーゲームの渦に身を投じていく。  

NTT株上場のときはこんな感じだったのかと思いながら読んでいた。望月昭平のイライラさせられるキャラはいいんだけど、下巻になると影が薄くなっていく。まあ、下巻になるとバブルが弾けて、望月や佳那が転落していくのは目に見えているので、物語の展開に驚きはない。桐野夏生であれば、もうちょっと捻ってほしかったな。