方舟(夕木春央)★★★★☆ 6/29読了

9人のうち、死んでもいいのは、ーー死ぬべきなのは誰か?
大学時代の友達と従兄と一緒に山奥の地下建築を訪れた柊一は、偶然出会った三人家族とともに地下建築の中で夜を越すことになった。
翌日の明け方、地震が発生し、扉が岩でふさがれた。さらに地盤に異変が起き、水が流入しはじめた。いずれ地下建築は水没する。
そんな矢先に殺人が起こった。
だれか一人を犠牲にすれば脱出できる。生贄には、その犯人がなるべきだ。ーー犯人以外の全員が、そう思った。
イムリミットまでおよそ1週間。それまでに、僕らは殺人犯を見つけなければならない。

特殊なクローズドサークルで殺人が起きる。当然犯人はその中にいる。しかも、自分たちが助かるためには誰か1人が犠牲にならなければならない。ミステリー好きとしてはワクワクする設定だ。ただ、合理的な解決がなければ、ただの尻切れトンボになる。ところが、納得できる解決があり、更なるどんでん返しもある。いやあ、これはマジで面白かった。