アフター・サイレンス(本多孝好)★★★☆☆ 12/9読了

大切な人が殺された時、あなたは何を望みますか――。
警察専門のカウンセラー・唯子(ゆいこ)の仕事は、事件被害者やその家族のケアをすることだ。
夫を殺されたのに自分こそ罰を受けるべきだという妻。
誘拐犯をかばい嘘の証言をする少女。
傷から快復したはずなのに、姉を殺した加害者に復讐した少年……
多くを語らないクライエントが抱える痛みと謎を解決するため、唯子は奔走する。
絶望の淵で、人は誰を想い、何を願うのか。そして長い沈黙の後に訪れる、小さいけれど確かな希望――。

なかなか重い内容だった。殺意を持って人を殺した人は、自分の命を差し出して償うしかないのか。刑期を終えて出所しても、幸せになる権利はないのか。殺人者の家族も幸せになる資格はないのか。考え方は人それぞれだと思うので結論は出ない、というか結論はない。主人公のカウンセラーの今後の人生が気になるね。