悪の芽(貫井徳郎)★★★☆☆ 7/9読了

世間を震撼させた無差別大量殺傷事件。事件後、犯人は自らに火をつけ、絶叫しながら死んでいった――。元同級生が辿り着いた、衝撃の真実とは。現代の“悪”を活写した、貫井ミステリの最高峰。

『罪と祈り』を読んだときに動機が弱いと思ったのだが、今回も同じ感想になってしまった。無差別殺人を犯して自殺してしまった犯人が、小学生時代に自分が苛めていた相手だと知った主人公。自分が苛めたことが、事件の引き金になったのではないかと罪に苛まれ、なぜあのような事件を起こしてしまったのかを探っていく。読み応えはあったのだが、肝心の殺人犯の動機に納得できなかった。絶望する気持ちは分かるが、なぜ殺人まで犯してしまうのか。そこが残念だった。