東京中央銀行大阪西支店の融資課長・半沢直樹のもとに、とある案件が持ち込まれる。大手IT企業ジャッカルが、業績低迷中の美術系出版舎・仙波工藝社を買収したいというのだ。大阪営業本部による強引な買収工作に抵抗する半沢だったが、やがて背後にひそむ秘密の存在に気づく。有名な絵に隠された「謎」を解いたとき、半沢がたどりついた驚愕の真実とは―。
半沢が銀行内で目の敵にされ、追い落とされそうになり、最後に倍返しでひっくり返すのはいつものことだが、それに絵画の謎が絡んでくるのが読みどころ。数ある半沢のエピソードの中でも、個人的には上位に来る面白さだった。