馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow(森博嗣)★★★☆☆ 2/21読了

探偵は匿名の依頼を受け、ホームレス青年の調査を開始した。対象は穏やかで理知的。危険のない人物と判断し、嵐の夜、街を彷徨う彼に声をかけた。その生い立ちや暮らしぶりを知るにつれ、何のために彼の調査を続けるのか、探偵は疑問に感じ始める。青年と面識のあった老ホームレスが、路上で倒れ、死亡した。彼は、1年半まえまで大学で教鞭を執っていた元教授で、遺品からは青年の写真が見つかった。それは依頼人から送られたのと同じものだった。

森博嗣を読むのは意外にも初めてだった。探偵が調査していく話なので、形としてはミステリーっぽいが、本質は別のところにあった。現代社会はこのままでいいのかという問いかけには頷けるところもあった。探偵事務所の2人の女性はなかなか良かったね。彼女らの別の話も読んでみたい。