イキウメ別館カタルシツ『語る室』@東京芸術劇場シアターイースト

物語は文字を得た時、書き記され固定される。
歴史の始まりであり文学の始まりだ。後には無限の解釈だけが残される。
文字以前は、語りによって物語は伝えられた。
不確かで固定されず、付け足され誤解され変化し続ける。
それは伝説であり神話と呼ばれる。
記録されないことで失われるものもあれば、記録しないことですくい取れる何かがある。
私達の過去も、文字や映像で記録したものは不変に思える。
しかし、記憶は振り返る度に、語る度に印象を変えてしまう。
履歴書の行間こそ、あなたの人生だ。
そしてそれは、あなたの知人に語らせてみると、恐らくは全く違う人生なのだ。
「語る室」では日常を生きる人の神話や伝説を、不確かなまま語ってみるつもりだ。


作・演出:前川知大
出演:浜田信也 安井順平 盛隆二 大窪人衛 木下あかり 板垣雄亮 / 中嶋朋子
東京公演:9月19日(土)- 10月4日(日)東京芸術劇場シアターイース
大阪公演:10月9日(金)- 10月11日(日)ABCホール

俳優それぞれが、客に向かって語りかけるようなパートが興味深かった。ただ、照明が暗い時にこれをやられると眠くなってしまう。というわけで、結構うとうとしてしまい、細かいところの筋がよく分からなくなってしまった。中嶋朋子は舞台では初めて見たが、しゃべり方や声が大竹しのぶに似てるね。
アフタートークは映画監督の吉田大八氏と。まずまず面白かった。観客との質疑応答がなかったのがいいね。質疑応答やると大体グズグズになるんだよな。