孤児院で幼い日を過ごし、ナチスドイツの技術兵となった少年。パリの博物館に勤める父のもとで育った、目の見えない少女。戦時下のフランス、サン・マロでの、二人の短い邂逅。そして彼らの運命を動かす伝説のダイヤモンド―。時代に翻弄される人々の苦闘を、彼らを包む自然の荘厳さとともに、温かな筆致で繊細に描き出す。ピュリツァー賞受賞の感動巨篇。ピュリツァー賞受賞(小説部門)、カーネギー・メダル・フォー・エクセレンス受賞(小説部門)、オーストラリア国際書籍賞受賞、全米図書賞最終候補作。
舞台は戦時下のフランス、サン・マロ。妹と共に孤児院で育ちナチスドイツの技術兵となった少年ヴェルナーとパリの博物館に勤める父のもとで育った、目の見えない少女マリー・ロールの物語。時代は行きつ戻りつし、それぞれの物語が短い章でほぼ交互に繰り広げられる。そこに伝説のダイヤモンドとそれを追うドイツの上級曹長ルンペンも絡んでくる・・・。とにかく美しくて哀しい物語。読み進めるのに時間が掛かったが、得難い読書体験だった。
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