問いのない答え(長嶋有)★★★☆☆ 2/23読了

震災発生の三日後、小説家のネムオはネット上で「それはなんでしょう」という言葉遊びを始めた。一部だけ明らかにされた質問文に、出題の全容がわからぬまま無理やり回答する遊びだ。設定した時刻になり出題者が問題の全文を明らかにしたとき、参加者は寄せられた「問いのない答え」をさかのぼり、解釈や鑑賞を書き連ねる。そして画面上には“にぎやかななにか”が立ち上がる―ことばと不条理な現実の本質に迫る、静かな意欲作。それぞれの場所で同じ時間を過ごす切実な生を描いた、著者四年振りの長篇群像劇。

一読して思ったのは、人生ってシームレスだよなってことだ。この本は目次があって短篇集のようになっているが、実際には改ページ等はなくて黒丸だけで区切られている。しかも、本文中でも空行もなしにいきなり別の人の話になる。取っ付きにくい人もいると思うが、私は苦にならなかった。人生ってそうだもんなと思っていた。
ツイッターで繋がった人たちの淡々とした日常を描いているようで、東日本大震災のことや秋葉原事件のことを取り上げており、「静かな意欲作」となっている。
登場人物たちは大半がツイッター上の仮名で出てくる。その中に「ドス江」っていう女性がいて、「ドス江」って! と笑ってしまった。

問いのない答え

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