真っ暗闇のワインバー(ダイアログ・イン・ザ・ダーク×東京ワインコンプレックス)

まっくらな中でのワイン試飲会真っ暗闇のワインバーとは
「まったく光の無い世界」でワインを飲んだらどうなるのか?というひとつの好奇心から東京ワインコンプレックスと共同で「真っ暗闇のワインバー」という、日常であればちょっと不安になるような冒険プログラムを作りました。
平凡な日常にちょっと退屈しているのならこの「真っ暗闇」を「ワイン」のスパイスで楽しんでみてはいかがでしょう?

会場は外苑前から10分くらい歩いたところにあるビルの地下。定員は10名。男女のカップルが2組、男性同士、女性同士のペアが1組ずついて、一人での参加は私ともう一人だけだった。年齢層は20代〜40代かな。
最初にちょっと暗い部屋に入って目を慣らし、白杖が渡される。さらにもう少し暗い部屋に入って自己紹介。前回のようにニックネームで呼び合うということはなくてホッとした。前回のアテンドは女性だったが、今回はヒヤマさんという男性。個人的には男性の方がいいな。
いよいよ中に入ると真の闇だ。ヒヤマさんの声を頼りに前に進む。途中、ブランコに乗ったり、丸太の橋を渡ったりしながら、ワイン会の部屋へ。
大きなテーブルの周りに椅子が配されていて各々腰掛ける。ここにはヒヤマさんのサポートの女性が一人いて、さらに東京ワインコンプレックスの人がワインの説明のために控えていた。
まずはワインの入ったグラスが1つ配られる。そしてもう一つ来るのだが、そちらには脚の部分に輪ゴムが巻いてある。揃ったところで乾杯。グラスを合わせている人もいたが、私は危ないので自重した。
香りからすると最初のものはまったり系のシャルドネ。次のものは柑橘系の香りがするので違う品種かと思ったら、両方ともシャルドネだった。前者は樽熟成のもので後者がステンレス熟成のもの。このあと赤も出てくるが、今回のワインは全部アメリカのワシントン州のものとのことだった。
同じシャルドネでも樽かステンレスかでこうも違うのかと驚いたが、最後にもらったワインの情報が書いてある紙を見ると、シャルドネ主体だけれどもそれぞれ違う品種のぶどうもブレンドされていた。道理でと思ったよ。
ワインを飲み干した後は香りのサンプルも回ってきた。よく香水のサンプルとかである付箋紙のようなものである。バニラと洋梨の2種類で、それぞれのワインの特徴的な香りを表している。
そういえば、白ワインの途中でパンも出てきた。これはありがたい。
続けて赤ワインもやはり2種類。1つはかなり渋みが強く、カベルネとすぐに見当が付く。もう1つはもうちょっとまろやかなので、メルローあたりかと思いきやサンジョベーゼだった。ワシントン州のワインでまさかサンジョベーゼとは思わないわな。これも後で情報を見てみると、色々とブレンドされていた。香りのサンプルもまた色々回ってきた。最後にはブショネの香りも回ってきたのだが、これは何だか香りが弱くてちょっと分かりにくかった。
東京ワインコンプレックスの人の話はなかなか参考になった。ワインの香りは、実は飲み干したグラスからの方がよく分かるなんてのは確かにそうだった。
この会の前には、白と赤を取り違えてしまうのではないかという不安があったのだが、実際にはそれはなかった。香りをかいだだけで白か赤かはさすがに分かる。
意外と早く種明かしをしてしまうのがちょっと残念だった。せっかく「真のブラインドテイスティング」なのだから、もう少し参加者の人たちとああでもないこうでもないと議論したかった。もちろん、そういうことをしていると時間が足りなくなるのだろうけど。今回はワイン会がメインだから仕方がないとは思うが、ワイン会に至るまでの暗闇体験部分がちょっと短かったな。私は過去にも体験しているからいいが、初めての人だとちょっと物足りないかもしれない。
終わったあとは、少し暗い部屋で目を馴らしながら雑談。通常90分くらいのコースだが、2時間を超えていた。あらためて、なかなか貴重な体験だった。
終了後は、参加者の人と「ル・カフェ・ベルトレ」で飲んだ。今回ピノ・ノワールが出なくて残念だったので、ピノ・ノワールにした。結構話し込んでしまって、電車が危なくなったが、かろうじて帰れた。