少年と自転車 ★★★☆☆ Bunkamura ル・シネマ

ベルギーを代表する映画監督ジャン=ピエール・ダルデンヌリュック・ダルデンヌ兄弟が、第64回カンヌ国際映画祭審査員特別グランプリを受賞した感動作。父親に捨てられ、心を閉ざした少年が一人の女性と出会うことにより、傷ついた心を少しずつ開きつつ成長していく姿をとらえる。主人公を新星のトマス・ドレが演じ、彼を温かく見守る女性を、『シスタースマイル ドミニクの歌』のセシル・ドゥ・フランスが好演する。本作で、カンヌ国際映画祭5作品連続主要賞獲得の快挙を成し遂げたダルデンヌ兄弟の実力に舌を巻く。


監督:ジャン=ピエール・ダルデンヌリュック・ダルデンヌ
脚本:ジャン=ピエール・ダルデンヌリュック・ダルデンヌ
出演:セシル・ドゥ・フランス(サマンサ)、トマス・ドレ(シリル)、ジェレミー・レニエ(シリルの父)、ファブリツィオ・ロンジョーネ(書店の店主)、エゴン・ディ・マテオ(ウェス)、オリヴィエ・グルメ(居酒屋の主人)
上映時間: 87分

「スーパー・チューズデー」は前座で、目当てはこちらだ。★3つとしたが、正確には3つ半かな。
過去のダルデンヌ兄弟の作品と同じく、観ていて楽しい映画ではない。印象に残ったのは、父親に突き放されて、一人で自転車で帰るシーンの長回しだな。あの一心に自転車を漕ぐ横顔には胸を打たれた。
ラストは一度死んで蘇るということなのだろう。少年の新しい人生に幸あれと願わずにはいられない。