本人にしか言えない言葉がある。
例えばバナナの皮で転んだ人の「マジ滑るぜ」
例えばファーストキス直後の「なんか、ゴメン」
それは生々しく、経験した者でなければ解らない。
リアルであり、同時に永遠でもある。
世界新記録直後の「チョー気持ちいい」
腹を撃たれた男の「なんじゃこりゃ」
初めて宇宙から見た時の「地球は青かった」
そして無口な父が病床の母に言った「愛してる」
僕にも、今だから言える言葉がある。
作、演出:石曽根有也
出演:林和義 古川悦史 河相我聞 大路恵美 中村真知子 今村裕次郎 / 岡まゆみ
2012年1月25日(水)〜2月15日(水) 下北沢OFF・OFFシアター
席は最前列の中央付近。かぶりつきで堪能しました(隣のおじさんは結構早い段階から船を漕いでいたけど)。
体育倉庫に閉じ込められた教員達の密室劇で、なぜそういうことになってしまったのかを、時間軸をずらして細かく描写していく。時間軸のずらし方もそれほど複雑ではなく、登場人物たちの裏の事情もそれほど分かりにくくはなかったので良かった。
ただ、学校でのいじめが主題になっているので、どうしても話は重い。今村裕次郎の「マジっすか?」が好きな私としてはそれが聞けなかったのが残念だった。
ただ、今回の芝居は完成度はかなり高いと思う。大路恵美も結構良かったし、出番が少ないながら、中村真知子はかなりの存在感だった。
ラストがああなるのは直前で気が付いた。ああなるということは鍵を締めたのは誰かということになって、まあ色々考えさせてくれる。
ディレクターズカット版はどこを10分ふくらませるんだろうな。とても観たいのだが日程的にちょっと無理だ。
全体的に面白かったんだけど、やっぱり話が重いので、そろそろ「だるまさん、ころんだ」系のほんわかした芝居も観てみたいな。