ぶらん(ディナー)

四度目の「ぶらん」にして初の一人「ぶらん」である。18時半前の入店で先客はなし。ちょっと早かったので、店の方の準備が整っていなかった。通されたのはシェフの目の前の席ではなく、シェフの左側になる奥の席。ここだと店全体が見渡せてなかなかいい。
6月に行った時はシェフ一人だったのだが、今回はアシスタントの男性が入っていた。7月に入ったらしい。爽やかな風貌のイケメン君である。
今までは最初の一杯はクレマンだったのだが、今回はマーク・エブラール・ロゼにしてみた。一口にロゼといっても色合いは様々なのだが、これは非常に品のいい色だった。味もなかなか。ちょっと高いだけはある。
メニューを見せてもらおうと思ったら、もうメニューは作っていないと言われてしまった。5千円と7千円のコースで、内容は時々によって変わるようだ。但し、構成は以前と変わらないらしい。やっぱりメインに肉を食べたいので7千円のコースにした。
最初に出てきたのは、一口パイのレバーペーストのせ。これが2つある。シャンパンに合わせるには実にちょうどいい。
続いて、前菜盛り合わせ(無農薬トマト、ズワイガニのゼリー寄せ、食用ほおずき、タコと梨、生ハム無花果、エシャロットクリームを巻いたサーモンの6品)。ワインはグリド甲州。初めて飲んだけど、結構厚みがあって美味しかった。生ハムと無花果の組み合わせは分かるのだが、タコとと梨の組み合わせには驚かされた。
次は、〆た胡麻鯖に赤玉ねぎとマイクロトマト。ワインは蒼龍シャルドネ。これも初めて飲んだけど、独特の苦味があって美味しかった。日本のワインも捨てたものではない。鯖は〆具合がちょうどよくて美味しかったね。
次は、ビーツの冷製スープと全粒粉のパン。ワインはサンセール。ビーツのスープがほんのり甘くて美味しかった。
次は、パンケーキにウォッシュ・チーズとトウモロコシをのせてバーナーで炙ったもの。ワインはルフレーヴのマコン。チーズのしょっぱさとトウモロコシの甘さがマッチしてるし、パンケーキ自体も美味しかった。この料理は面白かったなあ。
次は、トマトと玉ねぎとベーコンのシンプルなパスタ。ワインはキザン・セレクション・メルロー。パスタは細目で、茹で汁を結構入れていたので塩っ気が強かったが美味しかった。こういうシンプルなパスタがなかなか家ではこうは行かないんだよな。ここで国産の赤。色は薄いのにボディはしっかりしていた。赤はやっぱりブルゴーニュの方が美味しいかな。
次は、マコガレイポワレ万願寺とうがらし、赤いオクラ、キュウリが添えられていて、上にドライトマトものせられている。ワインはコワイヨのマルサネ・レ・グラス・テット。赤いオクラは初めて食べた。コワイヨのマルサネはスッキリしていて赤だけど魚にも合う。
メインは、バスク地方の豚肉のグリル。ワインはフランソワ・ゲのショレ・レ・ボーヌ。料理もワインも美味しかったんだけど、ここまで来るとお腹もいっぱいで酔いも回っていたので、ちょっとボーッとしていた。
でも、「ぶらん」の白いご飯と赤だしは別腹なのだ。特に赤だしが美味いね。デザートはパンナコッタ。デザートのバリエーションがもっと増えると嬉しいね。
一人だと退屈しないかなという心配があったのだが、シェフとも色々話せたし、目の前で料理をしているのを見ていると飽きないので、全然問題なかった。
サービスの点でちょっと気になったことがあったので、一言話してから帰った。普通のテーブル席で一人でディナーっていうのはちょっと侘びしいけど、カウンターならそれもないし、一人「ぶらん」はクセになりそうだな。

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