色川武大 (ちくま日本文学 30) ★★★☆☆ 6/5読了

滅法面白い阿佐田博打小説。静かな怖さの色川短編作品。

何といっても、ちくま日本文学のラインナップの中に色川武大を含めた人がエライね。阿佐田哲也名義の『麻雀放浪記』は大傑作だけれども、色川作品にも独特の味がある。
どちらかというと、自分のことや自分の周りの人を書いたエッセイっぽい話が多い。私は将棋が好きなので、芹沢博文のことを書いた「男の花道」はもちろん面白かったが、「善人ハム」、「ふくちんれでい」、「オールドボーイ」あたりの人物の描き方が色川作品の特長なんじゃないだろうか。この辺の話は実に面白かった。

色川武大 (ちくま日本文学 30)

色川武大 (ちくま日本文学 30)