小説の読み書き(佐藤正午)★★★☆☆ 7/7読了

小説家は小説をどう読み、また書くのか。近代日本文学の大家たちの作品を丹念に読み解きながら、「小説の書き方」ではない「小説家の書き方」を、小説家の視点から考える斬新な試み。読むことは書くことに近づき、読者の数だけ小説は書かれる。こんなふうに読めば、まだまだ小説だっておもしろい。小説の魅力が倍増するユニークな文章読本

『小説家の四季』を読んでいたらこれも読んでみたくなった。川端康成『雪国』、志賀直哉『暗夜行路』などの近代日本文学の大家たちの作品を取り上げて、結構細かいことに拘った読みを展開している。幸田文の回では、ひどい勘違いをしてしまい、読者から指摘の手紙を山ほどもらったようで、その謝罪や言い訳が追記として載っている。他にも追記があるのがあって、それらも結構面白かった。

小説の読み書き (岩波新書)
小説の読み書き (岩波新書)佐藤 正午

岩波書店 2006-06-20
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