第50回岸田戯曲賞受賞作、待望の再演決定!
脚本・演出:三浦大輔
出演:米村亮太朗/古澤裕介/井上幸太郎/富田恭史(jorro)/脇坂圭一郎/岩瀬亮/江本純子(毛皮族)/内田慈/遠藤留奈/佐々木幸子(野鳩)/美舘智範/山本裕子(青年団)
2009年2月19日(木)〜3月15日(日)
@新宿THEATER/TOPS
ポツドール初観劇。それにしても、ちょっと席詰めすぎだよなあ。前後の幅がほとんどなくて客入れが大変なんだよな。しかも客入れ時に大音量で音楽を流しているから、スタッフが何かを言っていても全然聞こえない。
裏風俗店でのオールナイトの乱交パーティーを描いた作品。ロフトのあるマンションが舞台で、ロフト部分には3つのベッドがある。合意に達した男女がロフトに上がり、ことに及ぶ。
実にあけすけな性を描いた身も蓋もないような作品なのだが、リアルな会話や同時多発的な会話は青年団を想起させる。実際、宮沢章夫は岸田戯曲賞の選評に「「現代口語演劇」の保守化をまぬがれて」という文章を寄せている。扱っているのは乱交パーティーだが、根っこは青年団の現代口語演劇なんだよなと思わせる。それが、保守化されることなくひとつの極地に達したのが『愛の渦』なのだと。
朝の5時になり、客は帰っていく。チャラい店員が一人片づけのために残っている。この店員がラストである行為に及ぶ。このラストがなんか切なくてやり切れないんだよな。私はこのラストシーンを見て、青年団の『東京ノート』のラストシーンを思い出した。多分そんな人間は私だけだと思うけど。