仲入り
例によって日の出ラーメンに行くと、雑誌か何かの取材が入っていて、カメラマンが手前のテーブル席で撮影をしていたり、ライターの人が店長に取材をしたりしていた。頼んだのは味噌ラーメン。取材が入っていたせいか、出てくるのがちょっと遅かったな。でもやっぱり寒い時のラーメンは美味しいね。
お楽しみの「志の輔noにぎわい」。たまたま私がそうなのか、志の輔の古典って渋い噺に当たることが多い(「浜野矩随」とか「宗眠の滝」とか「蜆売り」とか「徂徠豆腐」とか)。「芝浜」とか「文七元結」とか、たまにはメジャーなのやらないかなと思いながらにぎわい座へ・・・。
席は2階席の2列目。2階席の最前列は手すりが邪魔になるのだが、2列目はそういうこともなく、結構見やすい。開口一番の志の八は時々噛んじゃってたのが残念。
志の輔のマクラは歯医者の話や整体の話や富山のてるてる亭の話。そこから噺は「ディアファミリー」へ。タイトルは知っていたが、聴いたのは初めて。「踊るファックス」なんかと大体同じようなテイストで、押し入れの中から色々な物が出てくるのが面白かったね。美顔器(ちゃんと変換したよ)なんてあるんだね。
鏡味仙志郎の太神楽は、傘の上で鞠やら枡やらを回すんだが、2階席なんでよーく見えた。
志の輔のニ席目。客電が落ちて、マクラもなしにいきなり噺に入る。男が家に帰ってくる。カミさんが家で陰気に待っている。「お久が帰ってこないんだよ」。お久が帰ってこない? おいおい来たねー。こりゃあ「文七元結」じゃないか〜。なんか願いが通じたねえ。客席もぐっと集中力が増した感じだ。
50両をやろうかやるまいか、長兵衛はかなり長い時間逡巡していた。長兵衛の脳裏にはお久の顔が浮かんでいただろう。客席も水を打ったように静まり返っていた。そして両手で両膝を打って「よし、わかった。やるよ50両。持ってけ」。やっぱりいいよなあ「文七元結」。
幕が下りて、また上がって、ちょこっとアフタートーク。カウントダウンはあるけれど、にぎわい座での通常の公演はこれが今年最後ということで三本締め。終わったのは21時50分。やっぱり志の輔のときは遅くなるね。今年私が落語を聴きに行くのは(多分)これで最後だ。最後が志の輔の「文七元結」というのは幸せだったな。