東京大学「80年代地下文化論」講義(宮沢章夫)★★★☆☆ 11/13読了

'80年代は「バブル」で「おたく」で「スカだった」のか?
時代の先端を走る宮沢章夫が、東大駒場キャンパス最奥の密室で80年代生まれの東大生を前に考え、迷い、口ごもりながら語った80年代と現在を結ぶ手がかり。
当時のカルチャー・シーンを切り取った貴重な資料・図版・地図を満載!

話は伝説的なナイトクラブ「ピテカントロプス・エレクトス」から始まる。「かっこいい」とは何か? 宮沢章夫はピテカン的なものが当時「かっこいい」としか言い様がなかったという。その宮沢章夫がピテカンに関わっていたのだから、「自慢か!」とタカアンドトシ的に突っ込みたくもなる。
そこから話は「おたく」「バブル」「ニューウェーブ」等に派生していき、第9回目の講義では「おたく」と「ピテカン」が共有したものとして「ゼビウス」が取り上げられる。これはなかなか面白い論法だった(懐かしいねゼビウス)。
他にもまとまりなく色々な話が展開されるので、この場でそれをまとめるのは不可能な訳だが、なかなか興味深い講義だった。宮沢章夫は第1回目の講義の時からむさくるしいのだが、回を重ねるたびに髪が伸びてゆきどんどんむさくるしさが増してくる。11回目の講義でそれがピークを迎えるのだが、12回目の講義ではすっきり坊主頭になっていたのが面白かった。

東京大学「80年代地下文化論」講義
東京大学「80年代地下文化論」講義宮沢 章夫

白夜書房 2006-07-18
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