渋谷をぐるりと

世の中にはどこかに出掛けるときに計画を立てる人と立てない人がいるだろう。私は断然立てる人だ。それも綿密に。まあ、計画と言ってもケース・バイ・ケースだろうが、映画を2本観ようと思ったら、計画を立てないわけにはいかない。

前売り券は事前に入手済みで、10時20分頃東横線で渋谷に到着。南口を出て、まずはユーロスペースに向かう。ここで『運命じゃない人』の14時25分の回のスタンプを押してもらう(1番だった)。歩道橋を渡って、シネセゾン渋谷へ向かう。途中のマークシティ内のAfternoon Teaで昼飯を食べると良さそうだなと下見。シネセゾン渋谷では初回11時の『リンダリンダリンダ』を観る。早すぎるかと思い、途中本屋で時間調整したが、もう入場は始まっている。受付を通すと番号は52番だったが、楽に座れた。結局そんなに混まなかったので、両脇空席のまま余裕で観られた。私の左隣の若い男性は毛布を借りていた。そんなに冷房きつくないと思うのだが・・。
上映中になんと映写トラブル発生。夜の学校の屋上で4人が話しているシーンでいきなりCMが入り込んでしまい、そこで一旦上映ストップ。「映写トラブルがありました」というアナウンスとともに場内は一度明るくなった。そのまま約10分待たされてようやく再開した。中盤だったからよかったが、クライマックスでこういうことがあったら、かなり興を削がれただろうな。終映後、出口で係員が一人一人にテアトル系の映画館で使えるタダ券を配っていた。タダ券もらえてむしろラッキーだったかもしれない。
シネセゾン渋谷を出たのが13時20分頃。ユーロスペースには14時10分に行けばいいので、約1時間ある。予定通りAfternoon Teaへ。なぜか店舗が2つに分かれている。私は奥の店舗へ。エリンギ黒ごまパスタとアイスオレを注文。パスタは醤油ベースで、エリンギと豚肉が入っており、黒ごまのペーストがまぶされている。これが結構美味しかった。今度自分でも作ってみよう。パスタが1,000円というのは一応許せるのだが(パンも付いてくるので)、アイスオレが650円というのはちょっと高い。
ユーロスペースでは『サヨナラCOLOR』の初日舞台挨拶の2回目が終わったところらしく、結構ごった返していた。ちょうど入場開始のときにたどり着いたので、券を見せて1番に入場。中央右端前から3列目に座る。席が互い違いになっていて、この席の前は左に半分ずれているので、見やすいし足も伸ばせる。左隣はまた若い男だったのだが、ぶつぶつつぶやいていたり、意味もなく笑っていたりするので、ちょっと気味が悪かった。ユーロスペースは狭いからということもあるが満員だった(観終わった後から考えれば、映画が面白いから満員になるのだと判る)。今度は上映トラブルはなし。
次の予定は、アップルストア渋谷である。行ってみると、フォーナインズの2軒隣だった。これで同じ通りにカンペールもあると、私的には完璧なのだが。ツーフロアしかないので、銀座店よりは狭い。ガラスの螺旋階段が特徴だ。お目当ては「Mighty Mouse」。こいつをいじってみたかった。「ITmedia PCUPdate」のこばやしゆたか氏の記事(「アップル初のマルチボタンマウス――Mighty Mouseをいじってみた 」)で「セクシーなマウス」と評されているとおり、くりくりボールがちょっとセクシーだ。さっそく、デモ機につながれている「Mighty Mouse」のくりくりボールをくりくりしてみる。なかなか使い勝手はいい。いろいろくりくりしてみたが、「Mighty Mouse」から吐息はもれてこなかった(当たり前だ)。買おうと思って店内を見渡すがモノがない。在庫はないのかと訊いてみたら(訊いた相手は店長だった)、一番入り口に近いところに積んであった。商品は白いビニールの巾着袋に入れてくれた。この袋は渋谷店オリジナルなんだと思う、たぶん。
お次は、吉田順子さんの切り子を見るべく「草so」へ。一旦駅の方へ戻り、ガードをくぐって、宮益坂を上る。青山劇場の前の歩道橋を渡って、青山学院大学の脇の道を入っていく。高等部の門を過ぎて、自転車屋があると、その隣のビルの2階(中2階に見える)にある。思ったよりも狭い。売り場は四畳半くらいしかない。しかも吉田順子さんの切子もほとんどない。透明なショットグラスが2個と赤いショットグラスが1つである。透明な方はガラスがやけに薄くてまるでプラスチックのようだ。赤の方はガラスが非常に厚くてずっしりとしている。当然、赤の方を購入。確か3,500円くらいだった。売り場には、いかにも和食器店にふさわしい細身で清楚な感じの女性がいた。指輪をしていたのが残念(って自分もしてるだろ)。
最後に夕食の店であるが、雑誌「Pen」に紹介されていた「コンコンブル」という店に行こうと思っていた。「草so」に行く途中にあるので、場所は「草so」に行く途中に確認しておいた。17時25分くらいに入ろうとしたのだが、予約でいっぱいと断られてしまった。早い時間なら大丈夫かと思ったが、雑誌の威力はやはりすごいな。ここまで、最初に立てた予定通りに事は運んできたのだが、ここで初めて頓挫した。仕方がないので、裏通りをうろうろしているときに見つけた「おまかせ亭」というお店で食べることにした。こちらはすんなり入れて、私が一番乗り。ヱビスの生と「沖縄黒豚セット」(2,500円)を注文。店内はおじさんウェイターとシェフが2人。料理はまずまずか。付け合わせのパンの中にサーディンが入っているのが変わっていた。料理・サービスともに特に文句はないのだが、もう一度来たいという「何か」が足りない。それとタンブラーのヱビスの生が800円というのは高い。それなら近所のビアストゥーベでホフブロイハウスの生(こちらはジョッキ)を飲んだ方がはるかにいい。食べているときに降り出した雷雨は外に出たときにはやんでいた。よかった。
というわけで、おおむね計画通りに運んだ一日でした。