鈍色幻視行(恩田陸)★★☆☆☆ 10/10読了

謎と秘密を乗せて、今、長い航海が始まる。
撮影中の事故により三たび映像化が頓挫した“呪われた”小説『夜果つるところ』と、その著者・飯合梓の謎を追う小説家の蕗谷梢は、関係者が一堂に会するクルーズ旅行に夫・雅春とともに参加した。船上では、映画監督の角替、映画プロデューサーの進藤、編集者の島崎、漫画家ユニット・真鍋姉妹など、『夜~』にひとかたならぬ思いを持つ面々が、梢の取材に応えて語り出す。次々と現れる新事実と新解釈。旅の半ば、『夜~』を読み返した梢は、ある違和感を覚えて――

長い長い物語を読み終わって思ったのは「だから何なのか?」。『なんとかしなくちゃ。 青雲編』を読んだときにも思ったのだが、ところどころで著者の考えみたいのが顔を出してきて、それをしたり顔で語るのが気になって仕方がなかった。以前の恩田陸の作品では感じなかったので、最近のものがそうなのだろうか。ちょっと私には合わなくなってきてるな。