キッドの運命(中島京子)★★★☆☆ 1/10読了

すぐそこにある未来は、こんな奇妙なものかもしれない。廃墟化した高層マンションの老人が消えるわけ、汎用型AIが人を超えた時に起こる異変、アグリビジネスがら逃れた種の行き先。『小さいおうち』『長いお別れ』の著者が贈る初の近未来小説。

宮部みゆきの『さよならの儀式』に続けて、中島京子も近未来小説。宮部みゆきのは今ひとつだったのだが、中島京子のは割と面白かった。短編集だが、設定的には緩やかに繋がりがある。単なる物語ではなく風刺や警鐘がほのかに含まれているところも宮部みゆきとの違いかな(どちらがいいとか悪いとかではなくてね)。個人的には「種の名前」が好きだったな。