ローズマリーのあまき香り(島田荘司)★★☆☆☆ 7/16読了

世界中で人気を博す、生きる伝説のバレリーナ・クレスパンが密室で殺された。
1977年10月、ニューヨークのバレエシアターで上演された「スカボロゥの祭り」で主役を務めたクレスパン。
警察の調べによると、彼女は2幕と3幕の間の休憩時間の最中に、専用の控室で撲殺されたという。
しかし3幕以降も舞台は続行された。
さらに観客たちは、最後までクレスパンの踊りを見ていた、と言っていてーー?
名探偵・御手洗潔も活躍、島田荘司待望の長編新作!

正直もう島田荘司には期待していないのだが、やはり御手洗ものと言われれば読んでしまう。冒頭に魅力的な密室の謎が提示される。合理的な解決があればいいのだが、結局は禁じ手でお茶を濁されてしまった。途中に、一見本筋とは関係のないような長いパートが挟まるのも割りとお決まりなのだが、『アトポス』の頃のような腕力は感じられない。私にとっては残念な一冊となってしまった。