サンプルの芝居の後に１人でラチュレへ。テーブルはほぼ満席だったが、カウンターは全部空いていて、カウンターの左端に座った。前回はコースだったが、今回は室田さんと相談してアラカルトで注文。グラスのシャンパーニュでスタートして、アミューズは「熊すね肉と胡桃のケークサレ」。シャンパーニュとの相性はバッチリ。前菜は「高麗キジと野生きのこのコンソメ”1ヶ月熟成”」。パイ生地を割って中に押し込むと、香りがぶわっと立ち上る。コンソメが濃厚だし、きのこも美味い。
合わせるワインはどうするのかなと思っていたら、料理が出てくる前にとりあえずつなぎでジュラのワインを２種類。面白いけど、あまり合っているとも思えない。ところが、料理が出てきた時に出された「北条ワイン マデラ」に驚いた。これが絶妙のマリアージュだった。この思いつきはすごいね。しかも、調べてみたらこのワインかなり安い。北条ワイン自体を知らなかったので、他のワインも含めて買ってみようかな。
魚料理はスズキのパイ包み。スズキの周りはホタテのムース。ソースはザリガニのソース。ワインはシャルドネだったが、もう少しふくよかなものの方が良かったかもしれない。ソムリエの山本さんも本当はヴィオニエと言っていたが、そのヴィオニエがないというのが残念。個人的には、ドメーヌ・ユエのヴーヴレ（シュナン・ブラン）なんかも面白いと思った。
メインはスコットランド産の鳩のロースト ソースサルミ。胸肉は弾力があって美味しかったし、内臓も美味い。色々な部位を楽しめるのがやはりいいね。ソースが濃厚なので、付け合わせのみかんのローストがありがたい。最初に出してもらった赤ワインは温度が低すぎた。２杯目はやや薄めのものだったが、料理にはまずまず合っていた。
デザートは洋梨を使ったもの。これも美味しかった。コーヒーでフィニュッシュ。
decoの時はカウンターに座っても位置的な関係で室田さんが料理しているところは見えなかった。ラチュレではカウンターに座ると厨房が全部見える。これはいいね。前回はテーブル席でコースだったけど、今回カウンターでアラカルトを食べて、ようやくラチュレを堪能した感じ。料理はすべて美味しかった。弱点だったデザートもパティシエールが加わることによって改善された。お店の内装や食器も素敵だし、もはや行かない理由を探す方が難しい。ジビエ好きはもちろん行くべきだし、そこまでジビエ好きじゃない人でも是非行くべきだね。それだけ素晴らしいお店であることは間違いない。
