仕事。というか会社の話です。私は会社員を10年やったという経験の持ち主です。ふ。みなさんの中にはアルバイトをしている人も多いでしょう。その目的は言うまでもなく、生活の糧、お金を稼ぐことです。もちろん会社員だってそうです。しかし、昔はお金というより、仕事自体が生きる目的になっている会社員も多かった。今でもずいぶんそうでしょう、国民性でしょうか。「会社」ってなんだったんだろう、って震災後思ったりしています。
演劇的な抽象や象徴みたいなことでは少しもなくて、ただ単に、例えば、わたしはあなたが嫌いで仕方がない。しかしこの仕事のために好きになる努力をしている。もし、仕事を一緒にしていなかったら、とっくにあなたを殺しているだろう、大げさに言えば。あなたはこの仕事のおかげでわたしに殺されずにすんでいるのだ、みたいなことです。よろしくお願いします。
(青年団の山内健司さんとは別人のかつて会社勤めをしていた山内ケンジ)
作・演出:山内ケンジ
出演:
秋元(最近結婚した男)・・・・・・金子岳憲
神崎(スラッとした女性)・・・・・松本まりか
田ノ浦(最近離婚した男)・・・・・岡部たかし
佐々木(総務から来た若い男)・・・松澤匠
添島(デカい男・怖い)・・・・・・白石直也
高橋(変な女性)・・・・・・・・・吉田彩乃
部長・・・・・・・・・・・・・・・石橋けい
小松課長・・・・・・・・・・・・・鈴木浩介
専務・・・・・・・・・・・・・・・岩谷健司
城山羊の会は初めて。実にシュールで笑える舞台だった。
舞台の上手と下手にも客先があり、私は下手側の最前列だった。舞台はフラットで、そこにちょっとカッコいいオフィスデスクと椅子が数個配置されており、デスクの上にはパソコンや電話が置いてある。非常に簡素な舞台装置だが、舞台奥の出入り部分がちょっと半円形のガラスっぽくなっている。
普通の会社員たちの日常化と思いきや、虚言癖っぽい女性がいたり、ストーカーっぽい男性がいたり、結婚したばかりなのに部下の女性に惹かれている男性がいたりと、一筋縄ではいかない。段々おかしなことになっていき、死人まで出てしまうのだが、石橋けい演じる女部長はあくまでも業務を優先させようとする。
シュールなんだけど笑えるというか、笑っている時間の方が長かったな。ただ、どこの会社でも一歩間違えれば、ああなっちゃうんじゃないかなとも思わせてくれた。
石橋けいの女部長が色っぽいなと思いながら見ていたら、ラストああなったので、おぉっと思ってしまった。
次回公演も観たいのだが、次回は三鷹なんだよな。三鷹は遠いので、どうしたもんかな。それと、公演チラシの「ごあいさつ」も人を喰っていて笑った。