ビストロタツミ/bistro Tatsumi(ディナー)

ずっと前から行きたかったタツミにO氏を誘って訪問。ブッパに行ったときに前を通ったので場所は知っている。15席ほどの小さなお店で縦に細長い造りになっている。19時の入店で先客はカウンターのカップルのみ。我々はその先客の隣のカウンター席へ。厨房が見えるのでテーブルよりもカウンターの方がありがたい。
メニューは黒板に小さな字でビッシリ書いてある。これだけ小さなお店でよくぞこれだけというメニューの多さである。「アバジュレ」と「豚セルベルのパリパリ焼き」は食べたかったのでこれはあっさり決定。魚介や野菜も欲しいということで「ホタテと旬野菜のフリカッセ ブルーチーズ風味」。それから「トリッパときのこのグラタン」を頼もうとしたのだが、フリカッセとクリームソースがかぶりますよと教えてくれたので、黒板には載っていないメニューである「フォアグラのリゾット」にした。メインは量が多すぎて選べないので「肉の3種盛り合わせ」にした。通常付け合わせは野菜なのだが、キノコにもできるということだったのでキノコにした。
まずはグラスのクレマンで乾杯。「アバジュレ」は最初の一皿には最適だな。内臓がコリコリしていて美味い。付け合わせのレンズ豆とキャロットラペも手抜かりがない。「ホタテと旬野菜のフリカッセ ブルーチーズ風味」はとにかくソースが美味い。パンに付けて根こそぎ食べた。



ワインはグラスの白へ。3種類のうちから私はアルザスピノ・ブラン、O氏はブルゴーニュシャルドネ。「豚セルベルのパリパリ焼き」は要は豚の脳みそである。これが濃厚な味わいで期待通りの美味しさだった。
次はボトルの赤ということで黒板メニューを見せてもらうとブルゴーニュが多い。まあ、それもこの店に来たかった理由の1つでもある。気になったのがメオ・カミュゼのブルゴーニュ・ルージュ2001で8,000円。ただ、話の流れから村名で飲み頃のものを何本か持ってきましょうとなって並べてもらったのだが、17,000円とかになってしまうので、すみませんもうちょっと広域でということにしてもらった。そうすると、先ほどのメオ・カミュゼか「ドメーヌ・クロ・サロモン ジブリー・プルミエクリュ・クロ・サロモン 2007」ということになって、メオ・カミュゼは飲んだことがあるので、飲んだことのない後者にした。



ここでハプニングが発生。隣で飲んでいた女性(まあ年齢からいうとおばさん)が突然倒れてしまったのだ。ドサッと音がしてなんだと思ったら床に倒れていた。なぜかテーブル席の客に医者がいたので、その人が診てくれて、救急車を呼んだ方がいいでしょうということになって救急車がやってきた。ただ、その女性も救急車が来た頃にはなんだか回復しちゃっていて、ちゃんとクレジットカードで支払いを済ませてから救急車に運ばれていった。きっと大したことはないのでしょう。食事をしている店の客が救急車で運ばれてしまうというのは初めての経験だった。
赤ワインは果実味が豊かで、さすがにまだちょっと若い感じだった。十分に美味しかったけど、おそらくもう何年かしてから飲んだ方がいいんだろうな。次の「フォアグラのリゾット」はフォアグラが大きかった。これも抜群に美味しかった。
「肉の3種盛り合わせ」は、鶏肉と鹿肉と牛のクリ。付け合わせにキノコとマッシュポテト。3種類とも美味しかったけど、特に鹿肉は絶品だったな。ボトルの赤がなくなってしまったので、グラスの赤を追加。私はサンジョベーゼにして、O氏はボルドー。O氏はやはり濃い方が好きなようだ。



デザートは種類が少ない。その中からクリームブリュレを選択。これは普通に美味しかった。それとコーヒー。
スタッフはシェフとアシスタント、それにホール担当が一人で全部男性。厨房は常に美しくあれというシェフの教えがあるのか、アシスタントの人は神経質なまでにシンク周りを拭いていた。それにしても、あれだけの種類の料理をあの狭い厨房でほぼ一人で作っているというのは信じられない思いがする。そしてどの料理も手が込んでいて美味しいんだもんなあ。これは再訪必至だな。



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