三度の飯とお笑いを! 旅まわりの万歳芸人、映画監督志望だった復員兵、活字中毒の戦災孤児。年齢も境遇も違う三人の男が焼け跡の浅草で出会った。やがて彼らは六区はずれの実演劇場にひろわれ、踊り子のボロアパートで家族同然に暮らすことに。「エロ」に燃え、「お笑い」に悩み、「写真」に憑かれ。愛すべきはずれ者たちそれぞれの「復興」を描く、直木賞作家による骨太エンターテインメント誕生!
戦後間もない頃に浅草で出会った万歳芸人と戦災孤児、それに復員兵や踊り子が加わって、奇妙な共同生活が始まる。
みんな悲しみや挫折や屈託を抱えているのだが、それでも何とか生き抜いていく様が生き生きとかつユーモラスに綴られている。
物語のテンポはいくぶんゆっくりしているが、それが善造の万歳のようで実に温かい。
ラストはみんながそれぞれの人生を歩み始めるところで終わる。みんな(特に戦災孤児の武雄)の今後の人生に幸多かれと願わずにはいられない。
- 作者: 木内 昇
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2011/09/16
- メディア: 単行本
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